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2000奪三振のボールを捕手が客席に投げ入れてしまう

宇根夏樹ベースボール・ライター
ランス・リン(セントルイス・カーディナルス)Jul 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月23日、ランス・リン(セントルイス・カーディナルス)は、4回裏の2死から奪った三振により、通算2000奪三振に到達した。

 2000奪三振以上の投手は、リンが史上88人目だ。現在、メジャーリーグの球団に在籍している現役投手では、リンの他に5人が到達している。

 3393奪三振のジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)、3391奪三振のマックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)、2944奪三振のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)、2329奪三振のクリス・セール(アトランタ・ブレーブス)、2186奪三振のゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)がそうだ。

 この日、リンとバッテリーを組んだウィルソン・コントレラスは、2000奪三振の到達には気づいていなかったのだろう。ボールを客席に投げ入れてしまった。イニングが終わった時、そうすることは、決して珍しくない。

 その後、観客に投げ返してもらおうとしたが、ボールは、ネットに当たって跳ね返り、それを拾った別の観客が投げ上げ、カーディナルスのダグアウトに戻した。コントレラスは、その御礼として、最初にボールを捕った観客に、バットをプレゼントした。

 ちなみに、バットをもらった観客は、ピッツバーグ・パイレーツのキャップをかぶり、この日、リンと投げ合ったポール・スキーンズのレプリカ・ユニフォームを着ていた。試合は、パイレーツの本拠地、PNCパークで行われた。

 なお、2000奪三振まで残り二桁の現役投手は、2人いる。どちらも、あと20奪三振未満だ。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)とチャーリー・モートン(ブレーブス)は、それぞれ、1982奪三振と1981奪三振を記録している。

 彼らに次ぐのは、1851奪三振のジョニー・クエイト(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。クエイトは、数日前にエンジェルスとマイナーリーグ契約を交わした。それについては、こちらで書いた。

「エンジェルスは通算144勝の大ベテランと契約を交わし、トレードで先発投手を放出する準備を進める!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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