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敬遠四球→満塁→グランドスラムはここ25年のポストシーズンで4本目。直近の3本に共通するのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
打者がM.ビエントス、投手がL.ナック、捕手はW.スミス Oct 14,2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月14日、マーク・ビエントス(ニューヨーク・メッツ)は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦に、満塁本塁打を打った。

 2回表、2死二、三塁の場面で、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、フランシスコ・リンドーアを歩かせ、次のビエントスと勝負することを選んだ。

 リンドーアは、前の打席で先頭打者ホームランを打った。ビエントスの1打席目は、ライト・ライナーだった。

 ビエントスは、メジャーリーグ3年目の24歳だ。過去2シーズンは、計81試合で打率.205と出塁率.256、10本塁打、OPS.610だった。今シーズンは、AAAで開幕を迎え、4月下旬に昇格。この時は月末にAAAへ戻されたが、5月中旬に再び昇格し、そこから三塁に定着した。1度目の昇格時を含め、111試合で打率.266と出塁率.322、27本塁打、OPS.837。ポストシーズンは、今年が初出場だ。

 現時点では、リンドーアのようなスーパースターではないものの、ディビジョン・シリーズでは、4試合とも2安打以上を記録した。16打数9安打のうち、ホームランと二塁打が2本ずつ。5打点を挙げた。

 ビエントスは、フルカウントからファウルを挟み、ランドン・ナックの速球を打ち返した。打球は、センターの右へ飛び、フェンスを越えていった。レギュラーシーズンの通算37本塁打とポストシーズン最初の2本塁打は、いずれも、ソロか2ランだった。

 このホームランにより、メッツは、6対0とリードを広げ、7対3で勝利を収めた。

 ESPNによると、2000年以降、ポストシーズンの満塁本塁打は45本目。それらのうち、敬遠四球で満塁となった直後のホームランは4本目。直近3本の相手チームは、ロバーツ監督が率いるドジャースだという。

 ロバーツ監督の満塁策がグランドスラムという結果に終わった、その前の2度は、2016年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦の8回裏と、2019年のディビジョン・シリーズ第5戦の10回表だ。

 歩かされた打者とホームランを打った打者は、それぞれ、シカゴ・カブスのクリス・コグランミゲル・モンテロ、ワシントン・ナショナルズのホアン・ソト(現ニューヨーク・ヤンキース)とハウイ・ケンドリック。打たれた投手は、ジョー・ブラントンジョー・ケリー(現ドジャース)だ。どちらの試合も、ドジャースから見たスコアは3対3→3対7となり、その後の逆転は起こらなかった。

 2019年のディビジョン・シリーズだけでなく、2016年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズも、ドジャースは敗退した。一方、2016年のカブスと2019年のナショナルズは、どちらもワールドシリーズ優勝を飾った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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