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姫路の宝恵駕籠行列に2年連続登場!阪神・陽川選手と島本投手

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
宝恵駕籠行列の宝船に乗り、笑顔で写真撮影に応じる陽川選手(右)と島本投手(左)。

 兵庫県姫路市の姫路播磨国総社・射楯兵主(いたてひょうず)神社の『初ゑびす祭』で、きのう14日は宝恵駕籠(ほえかご)行列がありました。阪神淡路大震災の翌年から始まって24回目、阪神タイガースからも毎年2選手が参加しています。ことしは昨年に続いて、入団6年目の陽川尚将選手(27)と9年目の島本浩也投手(25)でした。2年続けてというのは何度かありましたが、2人とも同じだったのは初めてですね。

好天に恵まれた姫路の街を練り歩く宝恵駕籠行列。これは宝船です。
好天に恵まれた姫路の街を練り歩く宝恵駕籠行列。これは宝船です。

 午前10時から神殿でのご祈祷、10時半から境内の特設ステージで鏡開きをして、11時頃に行列が神社を出発。昨年同様に寒さがやわらいで、行列日和で何よりです。何基かの屋台や福娘を乗せた宝恵駕籠が並び、陽川選手と島本投手が太鼓を叩きながら乗っていたのは一番大きな屋台で、その前に“宝”の帆を立てた宝船があります。昨年の500人からさらに増え、総勢600人ほどの大行列だったとか。もちろん一緒に歩きながら写真を撮る方々も多かったですね。

宝船に乗るASハリマアルビオンのFW・川原奈央選手(左)。
宝船に乗るASハリマアルビオンのFW・川原奈央選手(左)。

 なお宝船には昨年と同じく姫路を中心に活動するアイドルグループ(午前はホワイトイーグレット、午後はKRD8)のメンバー、また女子サッカーチーム・ASハリマアルビオンの川原奈央選手(24)と、その試合でパフォーマンスを披露している可愛い子どもたちが乗っています。川原選手は2012年夏、日ノ本高校(兵庫)のキャプテンとして出場した全国高校総体で自身が唯一のゴールを決めて優勝!チームはインターハイの初代女王に輝きました。早稲田大学時代の2015年は日本代表にも選ばれ、ユニバーシアードで銅メダルを獲得!昨年からASハリマアルビオンの所属です。

「何連投でもいけるようにしたい!」

宝船の後ろに選手たちの乗った屋台が続きました。
宝船の後ろに選手たちの乗った屋台が続きました。

 行列は店舗や企業で福を授けながら、鐘や太鼓と「ほえかご、ホイ!」の掛け声で賑やかに商店街を練り歩きました。やがて姫路一番の繁華街である魚町で、例年通り約1時間のお昼休憩。出発前に15分ほど時間をもらって選手2人の囲み取材をしています。陽川選手がちょうどサインを書いていたので、先に島本投手から聞きました。

 まず宝恵駕籠行列については「去年も来たんですけど、ことしも来られてよかったなと思います」という感想を述べた島本投手。去年は午後の出発前、駕籠に乗り担いでもらっての写真撮影をしたのですが、その時に思いっきり揺られて体が浮き上がるくらい!隣で見ていた陽川選手が大笑いしていましたね。ことしもまた揺られますよ、と言ったら「あれは…」と苦笑い。

これは屋台で移動中の様子。
これは屋台で移動中の様子。
休憩後、駕籠に乗って揺られる島本投手。紐が頼りです。
休憩後、駕籠に乗って揺られる島本投手。紐が頼りです。

 さて、ことしは結果も求められるシーズンになりますが、どういう目標を持って臨みましょうか。「去年は(1軍で)1試合しか投げられなかったので、ことしはシーズン通して、ずっと上で投げられるように。試合数もずっといれば増えてくると思うので、とりあえずずっと1軍にいることが目標です」

 左の中継ぎ枠は結構厳しいですね。能見篤史投手もいますし。「まあ、いっぱいいますけど、自分のピッチングをしてキャンプからしっかりアピールできたらいいかなと思います」。能見さんを超える?ライバルとして?「ライバルって言ったら…申し訳ないですけど」と苦笑しながら「でも若さで。若いってとこだけしかないですが、頑張ります」と意志表明。

 それは「毎試合でもいけるぞ!若さで」という感じですか?と聞いたら「そうですね。1試合でも多く、何連投でもいけるようにしたい!」と力強い言葉が返ってきました。対抗していくなら若さ、体力と?「というところです。能見さんも去年、試合数は結構多かったんで。まあでも超えたいですね。試合数で超えたいです」。楽しみにしましょう。

2年分の活躍で宝恵駕籠のお返しを

 試合数を増やすためにはケガしない体作りも大事ですね。ここまでどんなオフを?「この前初めてブルペンに入って、早めに仕上げて、キャンプでも毎日投げて、元気ってところをしっかり見せたいなと思います」。このあとの自主トレは、やはり今回も桑原謙太朗投手とですか?「桑原さんとは16日から甲子園で一緒にやります」

宝船の帆の前で笑顔を見せる島本投手。
宝船の帆の前で笑顔を見せる島本投手。

 なお、ここまでは投げずに「ジムに通ってウエートをやったり、ランニングは毎日」していたそうです。毎日、距離や本数もかなりこなしていたかという問いには「去年より休みなくやっているというか。本数はわからないですけど、継続してやっています」とのこと。

 そしてキャンプに入ったら毎日投げてアピール?「そうですね。僕の場合たぶん投げる体力ってのが、あまりないと思われやすいので。連投していても真っすぐの強さはしっかり出せるようにやっていきたい」。いやいや、高校時代にも毎日“遠投”をやっていたし、体も肩も十分な力があるのにね。「はい。でも、ないと思われがちなんで…」。入団時に比べたら相当大きくなったけど、やはりスリムな見た目でしょうか。だけど中身は違うんだぞ、ってことですね。「はい」

掛け声に合わせて太鼓を叩く2人。2年連続だけあって上手です!
掛け声に合わせて太鼓を叩く2人。2年連続だけあって上手です!

 昨年、宝恵駕籠行列に初参加したものの残念ながら1軍で結果を残せませんでした。なので今シーズンは「2年分!」と島本投手は言います。2年分のご利益をいただいて、2年分の活躍をお願いします。

 陽川選手はサインを書いた升をどんどん積み上げ、質疑応答中の島本投手を見ながらニヤニヤ。まるでジェンガみたいになって、いつ倒れるか気が気でない我々を尻目にドヤ顔です。島本投手は「そんなに積まんでええのに」と苦笑いしながら、今度は上から1つずつ取ってサイン。代わって陽川選手の話に移りました。

昨年の経験を生かしてレベルアップ!

行列が出発する前、鏡開きに臨む陽川選手。
行列が出発する前、鏡開きに臨む陽川選手。

 陽川選手は8日、福永春吾投手と一緒に和歌山県上富田町で行っていた自主トレを打ち上げ、次は沖縄へ移動。岩貞祐太投手、岩崎優投手、梅野隆太郎選手、大山悠輔選手らとの自主トレに「ちょっと遅れて行きます」とのことで、あす16日から合流です。

 暖かい沖縄で、ヒジの状態も一段階上げていく?「そうですね。最初は和歌山でやって、ことし和歌山が思った以上に暖かかったので、自分のやりたいことが結構できました。福永も一緒で、投げてもらったりして。あの時期にああやってピッチャーの球を見られるってのが一番よかったと思う。沖縄でも同級生の岩貞と岩崎がいるので、投げてもらえる機会があれば、しっかりピッチャーの球を見ながら打ちたいなと思います」

宝船の帆には『宝』の文字。今季どんな宝をつかみましょうか!
宝船の帆には『宝』の文字。今季どんな宝をつかみましょうか!

 外で打った感触はどうですか?「ヒジの状態も悪くないので、ここからまたもうワンランク、キャンプの2月1日に出遅れないよう状態をしっかり上げていきたいと思います」。去年はファームスタートでした。ことしは開幕から1軍というのが最低限?「そうですね。去年は開幕直前で2軍に落ちたんで。ことしは最初から1軍開幕ってのを、まず目標にして。あとは1年間ケガなく1軍の方で結果を残していきたいです」

 ホームランを20本、30本と期待されていると思います。数字は伸ばしていきたい?「そうです。そこは自分の持ち味でもあるので伸ばしていきたい部分ですが、まずはしっかり自分の今持っている力をキャンプから出してアピールして。そこからやっていきたい」

陽川選手は昨年と同じく、大きく揺られる島本投手を見て笑っています。
陽川選手は昨年と同じく、大きく揺られる島本投手を見て笑っています。

 昨シーズンは巨人の菅野智之投手や、中日の松坂大輔投手と相性がよかった陽川選手。今シーズンも継続できれば、と期待を込めた記者陣の言葉に「まあ何ていうか、打てないピッチャーと打てていたピッチャーというか、その差が激しかったので。そういうのはちょっとでも減らしていけたらなとは思いますけど」と答えました。

 でも菅野投手や松坂投手というのはチーム全体が苦しんだピッチャーですし、そういうところでまた同じような数字を残せたらアピールになりますよね?「そこらへん、自分はあまり気にしていないんで。結果ってのが出てこないと1軍には残れないから、まずしっかり結果にこだわってやっていきたいです」

増える内角攻めに対応すること

 チームが苦しんでいる時に打てればムードを盛り上げたり、勝ちにつながるバッティングっていうものも経験していけるのでは?「そういうチャンスで回ってきたら、ランナーを還してチームを勢いづけられたらとは思いますけど」

こちらは行列で駕籠に乗った福娘の方々。陽川選手と違って軽々と揺られています。
こちらは行列で駕籠に乗った福娘の方々。陽川選手と違って軽々と揺られています。

 ちなみに自分自身で、その2投手を打っていたというイメージはありましたか?「いや~特にはないですね」。あくまで控えめなコメントを繰り出す陽川選手に、それでもなお菅野投手絡みの質問が…。

 初対決で菅野投手を打ったのは自信になったでしょう?「正直そこまで思う余裕もなかったし、とにかく必死に食らいついただけで。ことしは去年の経験が生きてくればなと思うので、少しは余裕、って言葉はちょっとおかしいですけど、自分をしっかり持って、落ち着いてやっていけたらとは思います」。打った映像は見る?「そうですね。去年シーズン中でも、試合が終わったあとに見たり」

 今季は警戒される中での打席になりますね。「去年の途中からインコースが増えたので、そこで崩されていたのは自分でもわかっています。キャンプまでにしっかり、そこらへん考えてやっていきたい」

「手を振ってください!」というカメラマンの要望に応えて。
「手を振ってください!」というカメラマンの要望に応えて。

 何か書いたり、映像を見たり?「書いたりはしてないですが、映像を見て配球を考えたりしていました」。インコース対策はキャンプでも取り組む?「去年の経験を生かして、無駄にならないよう、今シーズンはさらにレベルアップしていきたいと思います」

 ところで、昨年より大きな声援が陽川選手に飛んでいたんですけど、聞こえましたか?「全然聞こえないんですよ、これで」と太鼓を叩くジェスチャー。なるほど。でも道中で「陽川が来てるって!」「え、陽川が?見に行こ」という声もあり、司会の方に名前を読み間違えられた昨年とは大違い。虎の出世イベント継続は、2人の今シーズンにかかっていますよ。

   <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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