WBCミドル級チャンピオンが防衛
ドミニカ出身のWBCミドル級チャンピオン、カルロス・アダメスがテレル・ガウシャの挑戦を受け、119-109、118-110、118-110のスコアで防衛に成功した。
2022年10月に、ファン・マシアス・モンティエルを3ラウンドで下して暫定王座に就いたアダメスは、昨年6月24日に元WBA/IBFスーパーウエルター級王者ジュリアン・ウィリアムズを9回KOで退け、同ベルトを守った。正規王者であるジャーモール・チャーロとの統一戦を希望していたが、この5月7日に暫定王者から格上げされた。
御存知のように、チャーロ兄は2021年6月19日以降、防衛戦を行っていなかったが、飲酒運転で逮捕され、WBCがタイトルを剥奪。アダメスは戦わずして、望んだ椅子を手にしたのだ。
35歳のガウシャは、2017年10月にWBAスーパーウエルター級タイトル、2020年9月に同級WBCシルバータイトル、2022年3月には同級WBOグローバル王座に挑んだが、いずれも判定で敗れている。ミドル級に上げた今回は、自身にとって最後のチャンスと理解したうえでリングインした筈だ。
5歳年下のアダメスは、手数とパワーでオハイオ州クリーブランド出身のベテランを圧倒した。ドミニカン王者は振り返った。
「満足な結果です。自分のボクシングをし、明確な内容でタイトルを防衛しました。この一年、待ち望んでいたことですよ。偶然のローブローとなってしまった自分の一発――あの瞬間まではKOする可能性があったと思っています。残念でした。休息を与えてしまい、彼は落ち着きを取り戻しましたね」
これまで、ドミカンの彼にはなかなか実力を発揮する機会が無かった。WBCもアメリカンであるチャーロを優遇していた。およそ1年ぶりのファイトは、待ちに待った実戦だったのだ。
そんなアダメスは、やはり名のある選手との対戦を希望している。ワンサイドではあったが、黄昏時のガウシャにポイントを奪われるラウンドもあった。特に7回は、挑戦者が意地を見せた。
アダメスはWBAミドル級王者であるエリスランディ・ララあたりと戦い、更にその存在をアピールしたいところだろう。そのララにも挑戦したガウシャは、試合後に語った。
「アダメスはタフで、強力なパンチがあるので、最初の数ラウンドは注意が必要だった。終盤に追い上げる作戦を立て、それができたと思っていたが、十分じゃなかった。
スコアカードには大きな差があったが、同意できない。もっと接戦だと感じた。結局は彼の勝ちだ。それが現実だ」
勝者は結んだ。
「最高のパフォーマンスは、まだこれからです! 会場に来てくれたファンの皆さん、サポートに感謝します!」
長く休養していたチャーロがベルトを失ったことで、ミドル級が活気付くかもしれない。IBF/WBO王者のジャニベク・アリムハヌリも7月に試合を控えている。生き残るのは誰か。