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藤井聡太竜王に挑戦するのは広瀬章人九段か? 佐々木勇気八段か? 7月29日、挑戦者決定三番勝負第1局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月29日。東京・将棋会館において第37期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局・広瀬章人九段(1組4位、37歳)-佐々木勇気八段(2組優勝、29歳)戦がおこなわれます。

 勝者は藤井聡太竜王(21歳)への挑戦権を獲得します。

 広瀬九段と佐々木八段の過去の対戦成績は広瀬4勝、佐々木3勝。直近は佐々木八段が2連勝しています。

元竜王・広瀬九段

 広瀬九段は2018年、羽生善治竜王(当時)を破り、竜王位に就きました。

 広瀬九段は史上9人目の竜王です。

 2019年には豊島将之挑戦者(当時)に敗れて失冠。2022年には藤井聡太竜王に挑戦して敗退しています。

 もし広瀬九段が挑戦すれば、藤井竜王(七冠)とのタイトル戦は2回目となります。

 これまでタイトル戦で圧倒的な成績を収めてきた藤井竜王。七番勝負ではこれまで敗退なしです。そうした中で広瀬九段は藤井竜王を相手に、七番勝負で初めて2勝目をあげています。藤井竜王

 広瀬九段は今期1組ランキング戦、1回戦で豊島九段に勝利。2回戦で佐藤康光九段に敗れました。

 出場決定戦(4位決定戦)では木村一基九段、森内俊之九段に勝って決勝トーナメント(本戦)に進んでいます。

 本戦では斎藤慎太郎八段(1組5位)、山崎隆之八段(1組優勝)に勝って挑決三番勝負に進みました。

佐々木八段、タイトル初挑戦なるか?

 佐々木八段は昨年度、NHK杯決勝で藤井竜王を破り、初優勝を飾っています。

 順位戦ではA級2期目。充実著しい佐々木八段ですが、まだタイトル挑戦の経験はありません。藤井竜王とのタイトル戦が実現すれば、大変な盛り上がりを見せるでしょう。

 今期竜王戦では2組ランキング戦で三浦弘行九段、阿部健治郎七段、八代弥七段、郷田真隆九段に勝って優勝。自身3回目の本戦出場を決めました。

 本戦では久保利明九段(1組3位)、佐藤康光九段(1組2位)に勝って挑決に進んでいます。

 広瀬九段と佐々木七段はともに居飛車党。角換わりなどで、現代最先端の戦いが予想されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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