愛知の名水と銘酒にうっとり。京菓子司「亀広良」さんが提案するのは、酸いも甘いも噛み分けた大人の和菓子
可憐な水引きのバンド愛知県名古屋市西区にお店を構える「亀広良」さん。
天に向かって堂々とそびえ立つ名古屋城と、そのお堀を隔てて広がる名城公園からも程近い和菓子屋さんです。
亀広良さんは、惜しまれつつも閉店された京都の流れを汲む名古屋の和菓子屋さん、亀末廣さんより暖簾分けされたお店で、観光客のみならず舌の肥えた名古屋市民からも愛されているお店で、全国の百貨店などでもお菓子を購入することができます。
伝統を踏襲しつつも、シュトーレンなど和菓子の息吹を吹き込んだ新しいジャンルの商品も開発されている亀広良さんですが、今回は同じ愛知県の酒蔵「蓬莱泉」の純米大吟醸を使用したちょっと大人の「いちまいのみず」という、寒氷と分類される和菓子をご紹介。
亀広良さんの目と鼻の先といっても過言ではない、冬が到来すると名古屋城のお堀に姿を現す薄氷を落とし込んだ意匠のお菓子。
すり蜜といいまして、お砂糖と水を煮溶かして冷却したものを勢いよく攪拌することにより、乳白色のクリーム状にしたものを寒天と合わせて凝固させたものが、寒氷となります。
琥珀糖と似ていますが、攪拌せず透明な状態を保った琥珀糖とはちょっと作り方も違うんです。
シャリっと軽やかで儚い薄氷を思わせるような食感と、ねっとりとした食感のコントラストは、確かな技術と絶妙な見極め具合が織り成す上質なすり蜜ならでは。
スンとおすましした気高い白磁に相応しい食感と、両頬にじわりと広がる純米大吟醸の、ほんのりとうっとりするような芳香と甘味にご機嫌になってしまいます。
一口で、ちょっといい気分…に、なってしまうようなお菓子です。
個人的には冷蔵庫で冷やしてからいただいた方が、より強く純米大吟醸の香りを堪能することができました。常温の場合はアルコールの刺激若干マイルドになりますので、こちらはお好みで楽しんでみてくださいね。
夜のお風呂上りに、冷えた「いちまいのみず」をぱくっといただいたら、幸せだろうなあ…なんて。
甘いは甘いでも、大人の「甘い」に酔いしれて。
<亀広良>
公式instagram(外部リンク)
名古屋市西区上名古屋1-9-26
9時~18時
定休日 水曜・第2&4火曜