Yahoo!ニュース

ピッチ・クロック違反でサヨナラ負けとなる。時間超過でなくても結果は同じだった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
コロラド・ロッキーズ Jun 22, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月22日、ワシントン・ナショナルズは、コロラド・ロッキーズにサヨナラ負けを喫した。スコアは、7対8だ。

 ナショナルズが1点リードの9回裏、マウンドには、クローザーのカイル・フィネガンが上がった。今シーズン、フィネガンは、31登板で21セーブを挙げ、セーブ失敗は2度しかなかった。31.1イニングを投げ、防御率1.72を記録していた。

 だが、フィネガンは、最初の4人にシングル・ヒット――内野安打はなし――を打たれた。同点に追いつかれ、なおも、無死満塁のピンチに陥った。

 フル・カウントから、フィネガンがボールをリリースする寸前に、球審は三塁側へ動き、ピッチ・クロックの時間超過を宣告した。

 ピッチ・クロック違反→オートマティック・ボール→四球で押し出しだ。三塁走者がホームを踏み、試合は終わった。これまで、ピッチ・クロック違反によるサヨナラ・ゲームは、起きていなかった。

 もっとも、その1人目がフィネガンだったのは、意外ではない。フィネガンのピッチ・クロック違反は、今シーズン9度目。その回数は、突出している。他の投手は、いずれも5度以下だ。

 また、ピッチ・クロック違反がなくても、押し出し四球によるサヨナラという結果は、同じだったかもしれない。フィネガンの投球は、内角高目、ストライク・ゾーンを外れていたように見える。ただ、こちらは、球審の動きが目に入る、あるいは声が聞こえたことより、コントロールが乱れた可能性もある。

 なお、打者のライアン・ミックマンは、この押し出し四球により、1打点を挙げた。8回裏のソロ本塁打に続く、この試合の2打点目だ。フィネガンは、2失点(自責点2)。5月18日以来のセーブ失敗となった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事