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本気で結婚したい40代女性がいますべきこと~連載インタビュー(2)アイシニア~

大宮冬洋フリーライター

「私はいま40歳です。結婚相手を見つけるのは大変だとはわかっています。でも、婚活をがんばっているんです。『あきらめろ』なんて言わないでください」

ある女性から抗議をされた。筆者が本連載で書いた「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」を読んだらしい。ちょっと冷たい印象を受ける内容だったかもしれない。お詫びというわけではないが、識者を訪ね歩いて「40代の女性が本気で結婚したくなったらどうすればいいのか」を考えていきたい。

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アイシニア代表の池田さん。「モテない男」だったが努力で幸せな結婚をした体験を持つ
アイシニア代表の池田さん。「モテない男」だったが努力で幸せな結婚をした体験を持つ

女性は45歳以上、男性は50歳以上であることを入会資格にしている結婚相談所がある。今年で創業11年目になるアイシニアだ。筆者に抗議をした上記の女性は若すぎて入会できないことになる。驚きの入会資格である。

西新宿の事務所に行き、代表取締役の池田淳一さんに会った。こわもてだが実直そうな雰囲気の男性だ。インタビューそっちのけで筆者の悩み事を相談してしまった。

――僕は今年で40歳になります。既婚者ですが恋愛の話が好きなので、友人知人を対象に「お見合いおじさん」活動をしています。ただし、40代の女性は今のところ対象外です。40代後半の男性でも「子どもが欲しいので30代前半の女性と結婚したい」と言うからです。このままでは同世代の女性のお世話ができません。アイシニアはどう対処していますか。

一般的な40代女性は「私はまだ若い。中高年ではない。ファッションにも気を遣っているので、30代女性にも負けない」という自己認識を持っています。結婚相手には、年下の30代男性を求める傾向が強いですね。年上は5歳上までが限度です。

一方、一般的な30代40代の男性は「子どもが欲しい」ことが結婚の理由となることがほとんどです。35歳未満の女性を求めることになります。このギャップが、40代女性は結婚が難しいと言われるゆえんです。

当社は入り口が違います。「中高年専門」とはっきり謳っているので、まず女性会員のセルフイメージに世間とのズレがありません。年齢や容姿などではなく、人柄や経済的な安定を優先し、しっかりした50代男性とのお見合いを求める女性が多いのです。男性はやはり年下の女性を結婚相手に望む傾向があるので、40代女性でもお見合いが組める。お見合いさえ組めれば一定数は交際に発展し、そこから成婚も出ます。

当社も含めて結婚相談所は費用もかかるため、経済的な基盤がしっかりしている会員さんが多くなります。もちろん、真剣に結婚したい独身者だけです。出会い系サイトなどよりも「無駄撃ち」は少ないのは確かでしょう。

――セルフイメージに世間とのズレがない、というのがポイントですね。ちなみに、40代女性の会員数と成婚率はどれくらいですか?

平均すると年間100人ぐらいが入会されて、そのうち3~4割の方が成婚退会をされていきます。半年から1年の間に結婚が決まる方が多いですね。

――それはすごいですね。「同業」としてうらやましいです(笑)。男性会員の希望とのギャップはないのでしょうか。

当社には、「子どもを作りたいので結婚したい」という男性はほぼ来ません。50代60代の方なので、「今から子どもを作っても成人まで責任を持って育てられない」と考えるのだと思います。むしろ、同世代の女性とこれからの人生を穏やかに歩みたいという人が多いので、中高年の女性とのマッチングに大きなギャップは生まれにくいのです。

――成婚が決まる女性と決まらない女性の違いはありますか。

ご縁なので運が左右するのも確かです。ただし、私から見ても「この人は人間的に魅力的だな」と感じる女性は結婚していくことが多いですね。結婚とは生活なので、容姿や年齢など表面的なものだけでは決まりません。

成婚された方からお相手への感想をいただくと、「一緒にいて楽」「素直な気持ちが出せる」「自分の気持ちを受け入れてくれる」という内容が目立ちます。やはり、一緒に生活をしていて居心地が良いことが一番なのでしょう。

年齢を重ねていくと、男女ともに自分のこだわりが強くなっていくものです。我が強すぎて相手の意見を聞かなくなってしまうと、結婚を含めた人間関係を築くことが難しくなっていきます。相手の価値観を受容できる柔軟性と思いやりを持った方が、最終的には選ばれるのだと思います。

容姿に恵まれて、ファッションセンスもあってコミュニケーション能力も高い男性は、たいてい30代のうちに結婚しています。身ぎれいにしている女性ほど相手に求める基準は高いので、中高年の未婚男性には物足りなさを感じることが多いのです。お見合いの写真ではキリッとしているけれど、実際に会ってみるとオジサンくさかったり。

ただし、人柄重視でお付き合いをして、うまくアドバイスをすれば自分好みの男性に変えていけるものです。女性には度量の広さを持ってほしいですね。

池田さんと話していて強烈に感じたのは、「出会いの場」を選定することの大切さである。本稿は広告記事ではないのでアイシニアをとりわけ勧めるつもりはないが、40代女性との結婚を真剣に検討している男性が多く集う場を探すべきだろう。

できれば、20代30代の女性という「強敵」がいない場に入りたい。例えば、遊び上手の50代男性が主催する社会人サークルや飲み会である。どんな場も主催者の同年代が中心となるものなので、そこには独身(もしくは離婚間近)のアラフィフ男性がやってくる可能性が高い。40代の女性は完全に恋愛対象だろう。まずは自分を知り、有利な戦いができる場を選ぶことが大切なのだ。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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