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【なぜスーパー戦隊は世界中で愛された?】ミッキーマウスと夢の共演を果たした日本の特撮ヒーローって誰?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさま、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)と申します。

特撮を活用した観光「特撮ツーリズム」の博士論文を執筆し、大学より「博士号(文学)」を授与された後、国内の学術学会や海外の国際会議にて、日々活動させて頂いております。

連日猛暑日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

溶けるような気温で外出すら億劫になる今日この頃・・・

今回はお部屋にてじっくりお楽しみ頂けることをコンセプトに、日本を代表する特撮ヒーロー番組の中から、株式会社東映制作の「スーパー戦隊シリーズ」に焦点を当て、当シリーズがシリーズ存続の危機を乗り越えながら、どうやって世界中で愛される人気ヒーロー番組として成長してきたかについて、概要的にお話をして参りたいと思います。

少しお時間を頂戴しますが、ごゆっくりとお楽しみ頂けますと幸いです。

☆本記事は「私サブカルチャーものにくわしくないわ」、「難しい話はちょっと・・・」というみなさまにもお届けできるよう、概要的かつ深すぎないお話を心がけておりますので、お好きなものを片手に、ゆっくりご覧頂けますと幸いです。是非とも、お部屋を涼しくしてご覧くださいませ。

【シリーズ初の恐竜モチーフ!】ジュウレンジャーからはじまった恐竜戦隊の系譜とは?

お話に入る前に・・・みなさまはスーパー戦隊シリーズをご覧になったことはありますでしょうか?

「子どもの頃に観ていたよ!」という方や「子どもと一緒に観ているよ」という方、はたまた「今も大好きで観ているよ!」という方もいらっしゃるかと思います(私も幼少期より、スーパー戦隊シリーズの大ファンです)。

スーパー戦隊シリーズについて簡単にご説明しますと、漫画家・石ノ森章太郎先生と八手三郎先生が原作の、カラフルなコスチュームを纏った5人のチームヒーローを主人公にした、我が国を代表する東映製作の特撮ヒーロー番組です。

「5人揃って、ゴレンジャー!」スーパー戦戦隊シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』(筆者撮影)
「5人揃って、ゴレンジャー!」スーパー戦戦隊シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』(筆者撮影)

「派手にいくぜ!」スーパー戦隊シリーズ第35作『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』(筆者撮影)
「派手にいくぜ!」スーパー戦隊シリーズ第35作『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』(筆者撮影)

「君はどっちを応援する?」『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018)』(筆者撮影)
「君はどっちを応援する?」『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018)』(筆者撮影)

シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が1975年に放送が開始されて以降、『太陽戦隊サンバルカン(1981)』、『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』、『百獣戦隊ガオレンジャー(2001)』、『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』、『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』等々、シリーズは続いて行き、最新作『王様戦隊キングオージャー(2023)』まで全47作品がこれまで放送されてきました。

全員が国々の王様で構成される『王様戦隊キングオージャー(2023)』(筆者撮影)
全員が国々の王様で構成される『王様戦隊キングオージャー(2023)』(筆者撮影)

半世紀近くに渡る長い歴史を堅持しており、現在まで順風満帆に続いてきたように見える当シリーズですが、実はこれまでシリーズの存続危機に直面した事態が度々ありました。

歴代スーパー戦隊シリーズ Blu-ray一部(発売・東映ビデオ)(筆者撮影)
歴代スーパー戦隊シリーズ Blu-ray一部(発売・東映ビデオ)(筆者撮影)

とりわけ大きな影響を受けたのは1990年代初頭であり、当シリーズの制作者側も試行錯誤を繰り返しながら、なんとかシリーズ存続にこぎ着けた苦しい時代でもありました。メンバー全員が小学校の先生であり、悪役側にもコメディ描写を導入した『地球戦隊ファイブマン(1990)』、男女間の恋愛をテーマに、戦隊メンバー同士や悪役をも巻き込んだ恋模様を描いた『鳥人戦隊ジェットマン(1991)』等、シリーズの存続をかけた挑戦が続いていく中、スーパー戦隊シリーズの回復を決定的なものにしたのは、スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』でした。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』(英語圏タイトル:“Mighty Morphin Power Rangers)(筆者撮影)
『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』(英語圏タイトル:“Mighty Morphin Power Rangers)(筆者撮影)

本作が放送されたのは、映画監督・スティーブン・スピルバーグによる『ジュラシック・パーク』の映画化発表に湧き上がった1992年。本作は「恐竜」をテーマに、1億7000万年の眠りから目覚めた5人の勇者が『恐竜戦隊ジュウレンジャー』を名乗り、魔女バンドーラ率いるバンドーラ一族から地球を守る物語。

6人目の戦士・ドラゴンレンジャー(左)。ティラノレンジャーの実の兄であるが、当初はとある理由からティラノレンジャーに激しい憎悪の炎を燃やしていた。やがて和解し絆を取り戻すも、死を迎える(筆者撮影)。
6人目の戦士・ドラゴンレンジャー(左)。ティラノレンジャーの実の兄であるが、当初はとある理由からティラノレンジャーに激しい憎悪の炎を燃やしていた。やがて和解し絆を取り戻すも、死を迎える(筆者撮影)。

5人の戦士達が力を合わせて戦うシリーズの根幹的な描写は勿論、悪役でもどこかアットホームで憎めないバンドーラ一族、神のごとく威風堂々とした恐竜型のロボットに加え、シリーズ初の試みである6人目の戦士(ドラゴンレンジャー)も登場する等、豪華絢爛かつRPG(ロールプレイングゲーム)を彷彿とさせるような、子ども達に親しみやすい作風で放送された本作は最高平均視聴率13.2%を記録し(出典:2021年2月16日放送「しくじり先生 俺みたいになるな!!スーパー戦隊VSマンネリ!苦悩と激動の3年」より)、以降もスーパー戦隊シリーズは継続することとなりました。

また『ジュウレンジャー』のヒットにより「恐竜」はスーパー戦隊シリーズを象徴する人気モチーフとして定着し、その後も『爆竜戦隊アバレンジャー(2003)』や『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』、さらに『騎士竜戦隊リュウソウジャー(2019)』と恐竜モチーフのスーパー戦隊が続々と産出されるようになり、現在まで「恐竜スーパー戦隊」という呼称が登場するほど、恐竜という要素は子ども達に愛される人気ジャンルとして、スーパー戦隊シリーズに定着するようになりました。

「荒ぶるダイノガッツ!」『爆竜戦隊アバレンジャー(2003)』(筆者撮影)
「荒ぶるダイノガッツ!」『爆竜戦隊アバレンジャー(2003)』(筆者撮影)

「聞いて驚け!」『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』(筆者撮影)
「聞いて驚け!」『獣電戦隊キョウリュウジャー(2013)』(筆者撮影)

この恐竜スーパー戦隊の躍進は現在も続いており、今年9月には先述した『爆竜戦隊アバレンジャー』20年ぶりの続編『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』(外部リンク)が全国劇場にて公開の他、獣電戦隊キョウリュウジャー誕生10周年を記念した『キョウリュウジャー10thプロジェクト』も各媒体を通じて展開される予定です。今後の展開が楽しみですね。

2023年9月1日より全国公開『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』(MOVIX劇場内にて)
2023年9月1日より全国公開『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』(MOVIX劇場内にて)

【世界よ、これがスーパー戦隊だ!】世界100カ国以上で放送された『パワーレンジャー』シリーズとは?

ここまで上述してきましたとおり、『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』を起点とする「恐竜」というジャンルの導入は、シリーズ回復の一時的な切り札としてだけでなく、数多くの人気作を輩出する重要要素として現在まで定着してきました。

しかし、このスーパー戦隊シリーズの人気は日本だけに留まりませんでした。アメリカや韓国をはじめ、スーパー戦隊シリーズは『パワーレンジャー(Power Rangers)』と題して世界100カ国以上で放送されており、各国で爆発的なヒットと社会現象を巻き起こしていたのです。

日本で放送された歴代シリーズは『パワーレンジャー』シリーズとして、アメリカを筆頭に世界各国で放送された(筆者撮影)
日本で放送された歴代シリーズは『パワーレンジャー』シリーズとして、アメリカを筆頭に世界各国で放送された(筆者撮影)

スーパー戦隊シリーズは台湾・香港でも人気は健在。米国とは異なり、日本の『テレビマガジン』(講談社)、『てれびくん』(小学館)に相当する月刊誌や、ソフトビニール人形も発売されている(筆者撮影)
スーパー戦隊シリーズは台湾・香港でも人気は健在。米国とは異なり、日本の『テレビマガジン』(講談社)、『てれびくん』(小学館)に相当する月刊誌や、ソフトビニール人形も発売されている(筆者撮影)

パワーレンジャーがアメリカで放送を開始したのは1993年のこと。番組のタイトルは“Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)”と題して、ロサンゼルスやニューヨークの大都市圏で月曜日から金曜日にかけて午後3時からレギュラー番組として放送されました。

Funko製『パワーレンジャー』玩具。胸元にマークがあったスーパーマンやバットマンのように、現地で販売されたパワーレンジャーの玩具はオリジナルにない紋章が胸元にプリントされたものが多かった(筆者撮影)
Funko製『パワーレンジャー』玩具。胸元にマークがあったスーパーマンやバットマンのように、現地で販売されたパワーレンジャーの玩具はオリジナルにない紋章が胸元にプリントされたものが多かった(筆者撮影)

番組内容は、先述した『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに、日本人の俳優さん達の出演シーンを現地俳優さん達の出演シーンに差し替え、着ぐるみやミニチュアを使った戦闘シーンは日本で撮影した映像を流用する形で、約30分の番組として編成したものでした。

当内容で放送された本作は、アメリカで爆発的なヒットを巻き起こします。ロサンゼルス地区のテレビ局では最高9.1%の視聴率をたたき出した上、あまりの人気にクリントン大統領夫妻は本作の出演俳優をホワイトハウスへ招待したほどでした。

“Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)”DVD-BOX(発売・SHOUT FACTORY、筆者撮影)
“Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)”DVD-BOX(発売・SHOUT FACTORY、筆者撮影)

また関連商品の販売においても、本作の玩具を求めてショッピングモールに親達が殺到する現象が見られたほか、品薄となった玩具の取り合いで客同士の喧嘩が起こり、警察が出動する騒動にまで発展したそうです。この玩具騒動は全米を巻き込む緊急事態となり、『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』を産出した日本側に、アメリカから「ジュウレンジャーのおもちゃが残っていないか?」と電話がいくつも来たものの、日本では既に当番組の放送は終了しているために対応できなかったという逸話が残されています。

本作の玩具を販売していたのが、皆様ご存知の玩具大手メーカーであるバンダイ。同社のアメリカ子会社は、1994年の1年間でフィギュアを1800万体で10億ドル売り上げたほか、このパワーレンジャーブームにより同年のアメリカ玩具市場は164億ドルの過去最高を記録しました。(実は、このパワーレンジャーの玩具が品切れした騒動を基に、1996年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」が製作されました)。

このように、アメリカで爆発的なヒットを飛ばした「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」は「アメリカの歴史上、もっとも成功した子ども番組」と評されるまでに至りました。

「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」Blu-ray。(発売・20世紀フォックス ホームエンターテインメント ジャパン、筆者撮影)
「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」Blu-ray。(発売・20世紀フォックス ホームエンターテインメント ジャパン、筆者撮影)

また、日本のお隣・韓国では、スーパー戦隊シリーズ第37作『獣電戦隊キョウリュウジャー』(現地タイトル、『パワーレンジャー・ダイノフォース(Power Rangers Dino Force)』)が放映され、社会現象を巻き起こしました。本作のエンディングダンス(「みんな集まれ!キョウリュウジャー」)が韓国のスポーツ団体の公式応援歌に選ばれる程だったのだとか。

韓国で製作された『キョウリュウジャーブレイブ(2017)』よりブレイブキョウリュウジンの玩具(筆者撮影)
韓国で製作された『キョウリュウジャーブレイブ(2017)』よりブレイブキョウリュウジンの玩具(筆者撮影)

さらに韓国では『キョウリュウジャー』が放送していた当時、ほとんどの本作関連玩具が品薄状態となり、特にロボットの玩具に関しては入荷日に行列が出来るだけでなく、商品の取り合いで喧嘩が起きてニュースに取り上げられたほどでした。上述した韓国での『キョウリュウジャー』の好評を受け、同国ではその続編として『キョウリュウジャーブレイブ(2017)』も製作されるほどでした。

このように、日本だけに留まらずアメリカや韓国でも爆発的なヒットを飛ばしていた「恐竜スーパー戦隊」ですが、『ジュウレンジャー』の鈴木武幸プロデューサーは恐竜の良さについて、まず巨大であることから、大きいものが好きな子ども達の好みに適合すること、そして恐竜はもともと太古のものであることから、古くならない要素であること、さらに世界中から化石が出てきているためみんなが知っている、これら3要素を兼ね備えているのは恐竜だけであることを述べており、こうした「恐竜」そのものが秘めていた固有の特徴こそ、世界各国の子ども達に共通した魅力的な要素だったのかもしれません。

いつの時代も、子ども達に大人気の恐竜。歴代スーパー戦隊シリーズには数多くの恐竜型のロボット達が登場した(筆者撮影)
いつの時代も、子ども達に大人気の恐竜。歴代スーパー戦隊シリーズには数多くの恐竜型のロボット達が登場した(筆者撮影)

【ディズニーパークスにスーパー戦隊登場?】Disney Era(ディズニーエラ)と呼ばれた、ミッキーとパワーレンジャーが共演した時代とは?

今年2023年は、アメリカでパワーレンジャーの放送が開始されて丁度30年目の節目を迎えます。30周年を記念して、アメリカでは『Mighty Morphin Power Rangers: Once&Always』と題した新作が、動画配信サービス「NET FLIX(ネットフリックス)」で配信されています(日本では未配信)。

2019年に放送された『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は現在『Power Rangers Cosmic Fury』として米国で配信中(筆者撮影)
2019年に放送された『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は現在『Power Rangers Cosmic Fury』として米国で配信中(筆者撮影)

このように現在もアメリカで好評のパワーレンジャーシリーズですが、実は一時期当シリーズの権利をディズニーが保有していた時代、いわゆる「Disney Era(ディズニーエラ)」があったことをご存知でしょうか?

「ディズニーエラ」に米国で放送されたパワーレンジャーシリーズDVD(筆者撮影)
「ディズニーエラ」に米国で放送されたパワーレンジャーシリーズDVD(筆者撮影)

これには、アジア以外でのパワーレンジャーシリーズの放送権利が、2002年よりウォルト・ディズニー・カンパニーに移行したことが背景にあります。その後ディズニーが2011年に当権利を別会社に譲渡するまで、パワーレンジャーはフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるテーマパーク「ディズニーMGMスタジオ(現在のディズニー・ハリウッド・スタジオ)」内のパレードに出演していたほか、ディズニーストアでもアクションフィギュアが販売されていました。

つまり、日本のスーパー戦隊シリーズの面々が、ミッキーやミニーマウスをはじめとするディズニーキャラクターと肩を並べ、アメリカのディズニーパークのパレードに出演したほか、ディズニーストアで玩具が発売されていた時期があったのです(私達日本人の目線から見れば、少し違和感のある光景ですが・・・)

私も当時、ちょくちょくアメリカに訪れながら、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド園内を巡検したり、キャスト等の関係者が働くバックステージ(パーク裏方)を見学する機会が度々あった他、ハワイでロングステイをしていた経験があるのですが、その際、異国情緒溢れる現地にて、パワーレンジャー人気を直接感じることも多々ありました。

アメリカでは、どんな小さなおもちゃ屋さんでもほぼ必ず置いてあるのがパワーレンジャーの玩具。現地の戦隊ヒーローフィギュアは大きくて、かなり筋肉質?もちろんロボット玩具も人気商品(2015年、ハワイ州で撮影)
アメリカでは、どんな小さなおもちゃ屋さんでもほぼ必ず置いてあるのがパワーレンジャーの玩具。現地の戦隊ヒーローフィギュアは大きくて、かなり筋肉質?もちろんロボット玩具も人気商品(2015年、ハワイ州で撮影)

例えば、アメリカ・ハワイ州の大型商業施設「アラモアナショッピングセンター」内にて当時営業していた「ディズニーストア」では、店内でディズニーキャラクターと共にパワーレンジャーのフィギュアがたくさん発売されていました。あれは2007年のこと、店内に入れば、レンジャー達のフィギュアがたくさん陳列され、脇目を見ればミッキーやミニーマウス、スティッチの縫いぐるみがどっさり配置されているという非常に不思議な光景が広がっていたのです。(※権利の関係でディズニーストア内の写真は掲載できません!ごめんなさい。)

ハワイ州内・ホノルル、ワイキキ市内。ダイヤモンド・ヘッドをはじめとする観光地やその他商業施設への移動には、トロリーバスが便利です(2018年筆者撮影)
ハワイ州内・ホノルル、ワイキキ市内。ダイヤモンド・ヘッドをはじめとする観光地やその他商業施設への移動には、トロリーバスが便利です(2018年筆者撮影)

2007年当時ハワイ州で購入したパワーレンジャー関連商品。赤色メッキのフィギュア2体がディズニーストアにて購入したフィギュア(筆者撮影)
2007年当時ハワイ州で購入したパワーレンジャー関連商品。赤色メッキのフィギュア2体がディズニーストアにて購入したフィギュア(筆者撮影)

またウォルト・ディズニー・ワールド内の「ディズニー・ハリウッド・スタジオ」では、パーク内で映画『パワーレンジャー(1995年)』の撮影で使用された着ぐるみが展示されていた他・・・

「ディズニー・ハリウッド・スタジオ」内で展示されていたイエローレンジャー(タイガーレンジャー)の撮影用着ぐるみ。現存していたことに驚き!(著作権保護のため2014年筆者撮影したものを一部修正)。
「ディズニー・ハリウッド・スタジオ」内で展示されていたイエローレンジャー(タイガーレンジャー)の撮影用着ぐるみ。現存していたことに驚き!(著作権保護のため2014年筆者撮影したものを一部修正)。

別のパークである「エプコットセンター」内にある1施設「日本館」にて、パワーレンジャーの玩具が発売されていたのです。当時はディズニーがパワーレンジャーの権利を手放した後(2014年)ですが、権利移行後もこのような形にて、パーク内でパワーレンジャーと遭遇する機会があったのです。

エプコットセンター「日本館」内では、マリオやピカチュウ等の日本のキャラクターグッズも豊富。ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズのフィギュアも購入できた(2014年筆者撮影)
エプコットセンター「日本館」内では、マリオやピカチュウ等の日本のキャラクターグッズも豊富。ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズのフィギュアも購入できた(2014年筆者撮影)

エプコットセンター内で購入した、パワーレンジャー(『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』)のフィギュア。アクションフィギュアは人気商品のため、戦隊メンバー全員揃えての購入はなかなか困難(筆者撮影)。
エプコットセンター内で購入した、パワーレンジャー(『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)』)のフィギュア。アクションフィギュアは人気商品のため、戦隊メンバー全員揃えての購入はなかなか困難(筆者撮影)。

いかがでしたか?

「恐竜」という新要素を導入した日本のスーパー戦隊は、シリーズ存続の危機を乗り越え、世界中の子ども達に愛される大人気ヒーロー番組として、長い時間を経ながら成長してきたことが、本記事を通じて少しでも皆さまに伝わりましたら幸いです。

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

参考文献 一覧
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1992 恐竜戦隊ジュウレンジャー」、株式会社講談社
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1991 鳥人戦隊ジェットマン」、株式会社講談社
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1990 地球戦隊ファイブマン」、株式会社講談社
・鈴木武幸、「夢(スーパーヒーロー)を追い続ける男」、株式会社講談社
・大下英治、「仮面ライダーから牙狼へ 渡邊亮徳・日本のキャラクタービジネスを築き上げた男」、株式会社竹書房
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
・尾上克郎・三池敏夫、「平成25年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 日本特撮の関する調査」、森ビル株式会社

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

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