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14勝(9KO)1敗となった"ホワイトホープ"

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 アマチュア時代の2011年、2012年、2014年、2015年に全米王者となり、2017年、2018年にはウエルター級全米代表にも選出されたヴィト・ミエルニッキ・ジュニア(20)。

 昨年10月にWBAコンチネンタルアメリカ・スーパーウエルター級タイトルを手にしたそのミエルニッキが、プロ15戦目のリングに上がり、4ラウンドで咬ませ犬を仕留めた。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ホワイトホープとして大事に育てられているミエルニッキだが、9戦目の8回戦で判定負けを喫したことから、陣営はさらに安牌な相手との試合を組み続けている。この日の相手、オマー・ロラレスはリングに上がった瞬間に戦意を喪失しているかのような状態だった。

 加えてWBAコンチネンタルアメリカ・スーパーウエルター級タイトルの防衛戦にはならず、ノンタイトル10回戦として行われた。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 アマ時代に星条旗を背負ってジャーボンテイ・デービスら、トップ選手と共に遠征を重ねただけに、過保護すぎるマッチメイクに疑問符が付けられる。かと言って、154パウンドの強豪にぶつけた場合、まだまだ力不足であろう。

 ゲリー・クーニ―、トミー・モリソン等、ボクシング界はホワイトでそこそこの選手に特別なプラスアルファを与えてきた歴史がある。つい先日、鬼籍に入ったゲリー・コーツィーもそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230116-00332812

 "ホワイト・マジック"なるニックネームが付けられたミエルニッキは、一体どんなキャリアを送るのか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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