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一億総「集団暴行」だから言いたい「罪なき者は、石もて打て」

秋元祥治やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

僕が早稲田大学に入学した18年前、キャンパスでよく見かけた電動車いすの先パイがいた。「五体不満足」で脚光を浴びた乙武洋匡さんなんですよね。

ここのところ、乙武さんの私生活が週刊誌で掲載されそれをきっかけに、雨後のたけのこのごとく(?)あちらこちらからいろんな話が出てくるし、WEB見てるとコメント欄とかむちゃくちゃ書いてる…。それを見るたびにやはり思うのです。

なんでみんなで集団暴行をするの? って

んー、小保方さんの時も清原さんの時も、ベッキーさんの時も思いました。それぞれ、違法や不法行為があったり、疑惑があるのはそれとしても、それに乗じて有る事無い事をみんな言い出すのだろう。あるいは突然「ほれみたことか」「実は前から…、と思っていたんだ」って言い出す人々。

あ、地元の岐阜だと、美濃加茂市の藤井市長の収賄事件の件もそうでした(一審で無罪判決)よ。逮捕されたら地元紙の中には「若さがあやうい、以前から大丈夫かとの声があった」と書いてたし…。

聖書の中に、こんな一節があることを最近知りました。

イエスがオリブ山で人びとを教えていた。すると、律法学者たちやパリサイ人たちが、姦淫をした女を引っ張ってきた。

人びとは、モーセが律法のなかで、姦淫をした女は石で打ち殺せ、と命じたことを挙げて、イエスの指示を仰ぐ。それは、イエスを試して、女を訴える口実を得るためだった。そのとき、イエスがいった言葉がこうだったのである。

「汝らのうち、罪なき者まず石をなげうて」

この言葉を聞くと、かれらは年寄から、ひとり去り、ふたり去って、ついに、イエスと、姦淫した女のふたりが残った。

そこでイエスは女に向かって、「女よ、みんなはどこにいるか。あなたを罰する者はなかったのか」と尋ねる。女が、皆立ち去って、誰も残らなかった、と答えると、イエスはいったのである。

「われも汝を罪せじ、往け、この後ふたたび罪を犯すな。(わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように)」

出典:兵藤に訊こう

過ちや罪を犯したならば、謝り償ってもらうのは前提。

例えば違法行為をおかした犯罪であれば、そりゃ刑事罰に服してもらわなきゃいけない。

でも、クソミソ書く人に思うのは、ま「あんた関係ないじゃん」って思うわけで、ほっときなよって。

法が裁くし、民事の問題だったら当事者で解決すれば良いことだし。

なんか急にさ「ほれみたことか」って憂さ晴らしの対象にする、集団暴行(いや、実際に本人の立場になればそうでしょう、もはや)ってどうなのよって思うのです。

自身に問うべきはこうじゃないだろうか。

「汝らのうち、罪なき者まず石をなげうて」

やはりSNSで流れてきたブログ一億総ゲス化の日本を憂うも共感しました。

ただ単に人の過ちを冷笑し、貶め、叩くだけ叩くという今のこの現状。テレビのワイドショーを見て、喜んでいるのは私達自身だ。「ゲス不倫!」と人を罵る前に、自分たちのゲスさ加減に気づくべきだ。

「一億総ゲス社会」

出典:http://blogos.com/article/170100/

例え麻薬をやったとしても清原さんがPL学園からプロ野球選手として偉大な人であったということは変わりないし、乙武洋匡さんだって、発言や行動を通じて多くの人に影響を与えたり勇気づけたことは何も変わらないと思います。

車いすホストのクララさん(脳性まひだったそうです)のブログのエントリー「乙武洋匡という希望」が、SNS上でバズっているので読みました。

僕のように、乙武洋匡の存在に支えられ、生きる希望としてきた障害者はいっぱいいると思います。乙武さんには、まだまだやってもらわなくてはいけないことがたくさんあります。

だから今回のことで乙武さんが世間にどんなイメージを持たれたとしても、僕は信じて応援しつづけます。

出典:http://ameblo.jp/clara-apits/entry-12144172537.html

重ねて言いますが、乙武洋匡さんやあるいはスキャンダルなどのあった人々のそれそのものを肯定するつもりも擁護するつもりもありません。だけれども、やはり生み出してきた成果や実績は決して否定されるべきでなく、いや変わらず尊重されるべきだと思うのです。

今日4月6日は、乙武洋匡さんのお誕生日。

40才という節目を迎え、振り返り反省するべきことはされたうえで、さらなる活躍を心から期待したいと思います。

秋元祥治

NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長

ではでは。

やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

01年より、人材をテーマにした地域活性に取り組むG-netを創業し03年法人化。現在理事。13年オカビズセンター長に就任。開設9年で約3300社・2万2千件超の来訪相談が押し寄せ、相談は1ヶ月待ちに。お金をかけずに売上がアップすると評判で「行列のできる中小企業相談所」と呼ばれている。2022年より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授に就任。内閣府・女性のチャレンジ支援賞、ものづくり日本大賞優秀賞、ニッポン新事業創出大賞・支援部門特別賞ほか。内閣府「地域活性化伝道師」等、公職も。著作「20代に伝えたい50のこと」、KBS京都「KyobizX」・ZIP-FM「ハイモニ」コーナーレギュラーも。

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