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代表監督とクラブの監督と。問われる資質の違い

杉山茂樹スポーツライター

マドリーダービーのチャンピオンズリーグ決勝。それが終了するとユーロ2016が始まる。100周年を記念して米国で行われるコパアメリカも忘れてはならないイベントだが、CLと比較したくなるのはユーロだ。

ユーロの方がCLより番狂わせが起きやすい。欧州の国別対抗戦の方が、その都市対抗戦よりどこが勝つか分からないという意味で面白い。

近年のCLの傾向は明確だ。バルサ、マドリー、バイエルンの三つ巴。これにアトレティコ、パリSG、チェルシー等が絡む展開だ。マドリー対アトレティコの決勝は、いわば横綱対大関の対戦。バルサ、バイエルンを倒して決勝に進出したアトレティコも、もはや伏兵ではない。正直言って、どこが勝つか分からない面白さはない。

それに引き替え、ユーロはミステリアスだ。ブックメーカーの予想を眺めれば、フランス、ドイツ、スペインの第1グループを、イングランド、ベルギーが追走。3番手にイタリア、ポルトガル、クロアチアが控える展開だが、最大手のひとつ大手ウィリアムヒル社の予想によれば、8番手のクロアチアでさえ27倍。筆頭のフランス(4倍)から僅差で続いている。

一昨年のブラジルW杯でも、スペイン、イングランド、イタリア、ポルトガルは1次リーグで消えた。その時3位に輝いたオランダは、今回のユーロでは予選敗退。ユーロの本大会出場チームが16から24に増えたにもかかわらず、だ。CLより遙かに強い下克上の嵐が吹いている。見る側にとっては大歓迎。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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