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5月に長打24本以上はジャッジが9人目。他の8人も大物ばかり!? カッブ、ゲーリッグ、ルース…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)May 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月30日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズン18本目のホームランを打った。今シーズンの長打は36本。ホームランと同じく、二塁打も18本を数える。三塁打は打っていない。

 3・4月のホームランと二塁打は6本ずつ、今月は12本ずつだ。今月の長打24本について、コーディファイ・ベースボールは、5月に2ダース以上の長打はMLB史上9人だけ、と謳っている。

 彼らが記録した、5月の長打24本以上は、以下のとおり。

筆者作成
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 タイ・カッブルー・ゲーリッグベーブ・ルースウィリー・メイズの4人は、殿堂選手だ。

 現役選手の3人中、フレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)とジャッジは、MVPを受賞している。フリーマンは、アトランタ・ブレーブス時代の2020年に選出。ジャッジは、2022年に選ばれた。

 BBWAA(全米野球記者協会)による選出が始まった1931年より前も含めれば、殿堂入りしている4人も、MVPの受賞者だ。それぞれ、カッブが1911年、ゲーリッグが1927年と1936年、ルースが1923年、メイズは1954年と1965年に選ばれた。

 この6人と比べると、あとの3人は、そこまでのビッグ・ネームではない。

 ただ、アール・ウェブは、1931年に67本の二塁打を打っている。これは、現在もシーズン最多記録だ。1シーズンに65本以上は、ウェブだけ。60本以上も、他に5人しかいない。昨シーズン、フリーマンは、史上7人目の60本に迫ったが、あと1本足りなかった。

「この選手は「シーズン60二塁打」に到達できるのか。ここまでは58~59本ペース。到達なら87年ぶり」

 ジェフリー・レナードは、シーズン30二塁打、30本塁打、30盗塁のいずれも皆無だが、1987年と1989年はオールスター・ゲームのメンバーに選ばれている。また、1987年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは、7試合で打率.417(24打数10安打)と出塁率.500、4本塁打、5打点――ホームランと打点は第1戦から4試合連続――を記録し、レナードが在籍していたサンフランシスコ・ジャイアンツは敗退したものの、シリーズMVPを受賞した。

 ジョシュ・ベル(マイアミ・マーリンズ)は、ピッツバーグ・パイレーツ時代の2019年に37本塁打と37二塁打。オールスター・ゲームのメンバーに選ばれた。前半の長打60本は、両リーグで最も多く、2位のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)に7本差をつけていた。

 今シーズンは、57試合で打率.242と出塁率.317、6本塁打と10二塁打、OPS.689ながら、今月は、26試合で打率.313と出塁率.373、3本塁打と7二塁打、OPS.847を記録している。マーリンズは低迷していて、ベルは2年3300万ドルの契約2年目。パワーのあるスイッチ・ヒッターとして、夏のトレード市場で人気を博すかもしれない。

 なお、他の月も含めると、長打は、1937年7月にジョー・ディマジオが記録した31本が最も多い。ホームランが15本、三塁打が6本、二塁打は10本だ。

 昨シーズンの月間最多は25本。6月に大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ドジャース)が、ホームラン15本と三塁打3本、二塁打7本を打った。

 ジャッジについては、こちらでも書いた。

「ジャッジはホームランと二塁打のどちらも18本。ペースは50本塁打&50二塁打。到達なら史上2人目」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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