シャーマンと婚約したノルウェー王女 批判を受け、称号は維持・公務から退くと発表
マッタ・ルイーセ王女は8日、今後はノルウェー王室の公務は一切しないと王室のプレスリリースで発表した。
米国人男性で自称シャーマンを名乗るデュレク・ベレット氏と婚約中の王女。だが、ベレット氏は王女の肩書を利用しているかに見えるビジネスをしており、ノルウェー国内では批判が集まっていた。
王女の称号は「家族の証」として手放すことを放棄していたルイーセ王女。
しかし、称号の話は別としても、「王室を代表する公務から退くべきだ」という世論も高まっていた。
そもそも、王女はほんのわずかの公務しか委託されていない。
だが「公務」=「王室を代表」することには変わりなく、ベレット氏のこれまでの言動を受けて、「せめて公務はしないで」という空気が出ていた。
王室プレスリリースに書かれている内容
- ルイーセ王女とベレット氏は個人の活動と王室のつながりの間に明確な境界線を引きたいと願っている
- 王女は家族と相談した結果、王室の公務をしないと決定
- これによって彼女の商業活動と、王室での彼女の立ち位置の境目をより明確にしたいと王女は願っている
- これまでの王女の公務は他の王室メンバーが引き継ぐ
- 王女とベレット氏は、自身のソーシャルメディア、メディア、その他の商業活動においてプリンセスの称号や王室メンバーであることを使用しない(ただし、王女の公式インスタグラム@PrincessMarthaLouiseは除く)
- ルイーセ王女とベレット氏が商業活動をする際、ソーシャルメディアでは王女の称号、他の王室メンバーの写真などもタグ付けしない
- 商業活動でインタビューを受ける際も同様の対応をする
- 国王は、ルイーセ王女は王女の称号を維持し続けてよいと決定した
- 王女の元夫のアリ・ベン氏のように、ベレット氏は結婚後は王室ファミリーの一員となる
- だが、これまでの伝統通り、ベレット氏に王室の称号は与えられず、王室の代表はしない。
- 誕生日会などの家族のお祝い行事、王室の参加が伝統となっている一部の大規模なスポーツ行事には、王女とベレット氏は出席する
- 今回の決定で、王室はふたりの商業活動や私生活がより自由になることを祈っている
- 王室はベレット氏がソーシャルメディアで受けている人種差別には抗議をする
- ノルウェーにも存在する民族的な多様性を、ノルウェー王室が象徴することは強みとなる
ルイーセ王女は王女としての公式インスタグラムで以下のように発表している
「王室の誰かが結婚するときは、常に注目を集め、ネガティブな受け止め方がされます。今回もそうです」
「そのため、今回の決定で私の役割において、国王の娘、商業事業主、個人の間に明確な境界線をひこうと思います。私もベレットも、私たちの活動と王室の間に線引きをすることを望んでいます」
「理学療法士として健康学の勉強をしてきた私は、健康と研究分野に重みを置き、医療を尊重しています。代替え療法も大切な補完医療だと考えています」
王女は公務で共に活動してきたパートナーに感謝し、「この結果が、騒動を鎮静化させることを祈る」と伝えている。
国民が眉をひそめた、婚約者のスピリチュアル活動と王女の称号利用
ベレット氏はこれまでに自身の力で病人を救うことができると発言してきた。
「エネルギーを最適化する」シンボルが入ったメダルを売るビジネスは、得にノルウェーで批判されている。メダルのおかげで、自身もコロナ感染後に健康になったという。
現代医療を否定する言動としてノルウェーでは捉えられ、「病人の弱っている精神面を利用しかねない」などと批判されていた。
ルイーセ王女の公務パートナー団体らも、王女に代替医療についての考えを問うなどの騒ぎとなっていた。
批判はやまず、王室メンバーは公務中もカップルについてのコメントを求められていた。
ホーコン皇太子はベレット氏を家族として歓迎したい一方、国内での批判の声は理解できると、「家族内で話をする」と答え続けていた。
ノルウェー国内では今回の発表において、
ベレット氏はロイヤルファミリーの一員となるが、王室の称号を与えられない
ということも強調して報道されている。
「事態を落ち着かせたい」とするカップルだが、そもそも騒動の種をあちらこちらにバラまいたのは本人たちでもある。
今後もノルウェーのメディアは、ベレット氏のスピリチュアルビジネスに目を光らせるだろう。