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【手術室で起きた闇に葬られた事件3選】

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

手術室という場所は、医療チーム全員が集中し、患者の命を預かる責任感に満ちた場所です。しかし、その厳粛な雰囲気の中でも、時折予期せぬ出来事が起こり、全員の心に深く刻まれることがあります。

手術室は病院内でも比較的閉ざされた環境です。何かとトラブルが生じても、闇に葬られることも少なくありません。

今回は、実際に筆者が体験した手術室で実際に起きた闇に葬られた事件を3選紹介します。

①二日酔いの看護師が手術中に嘔吐

手術室は、通常緊張感が漂う場所です。医療チーム全員が集中し、患者の命を預かる責任を持って仕事に取り組んでいます。しかし、ある日、その厳粛な雰囲気が一変する出来事が起こりました。

それは、新人看護師のA子が前日の夜に同期の看護師たちと楽しく飲んだ翌日のことでした。A子はまだ若く、仕事に対する責任感も強かったため、二日酔いの状態でもそれを隠して職場に出勤したのです。この日、彼女は手術室で医師の手術介助をすることになっていました。

A子の担当した手術は順調に進み、もう少しで終わりが見えてきたころ、A子の顔色が次第に悪くなっていきました。彼女は何度も深呼吸をして耐えようとしていましたが、ついに限界が訪れたのです。

突然A子は、盛大に嘔吐!!!!

手術室で手術介助をするスタッフは、マスクとゴーグルと呼ばれるシールドタイプの眼鏡を着用します。

不幸にも嘔吐物はマスクと眼鏡によってまるでスライダーのように顔の上側から噴射され、A子の周りに飛び散りました。幸運にも、A子はギリギリで後ろ側をむいたので患者さんや手術作業台にはかからず、壁に吐物が飛び散るという結果になりました。

その瞬間、手術室内は一瞬静まり返り、その後、麻酔科医の先生が大激怒!!

(そりゃそうだ…。)

手術中の嘔吐は感染リスクを高めるため、あってはならない重大な問題です。

先生はA子に対して厳しい口調で叱責しましたが、具合の悪さがピークに達していたA子は青白い顔で吐瀉物まみれになりながら静かに手術室の床に寝そべっていました。

【教訓】

この出来事は、二日酔いでの勤務がどれだけ危険であるかを象徴する良い事例となりました…実際に看護師は、ストレスフルな職業で、割と勤務帰りに飲みに行く姿も見られます。

リフレッシュすることは重要ですが、「飲み過ぎ注意」を無意識のうちに周知徹底する良い機会ともなったのです。

A子自身も深く反省し、その後は自己管理に努めるようになりました。

②下ネタに盛り上がり過ぎた医師が削らなくていい骨も削る

手術室は外科医にとって単なる仕事場ではなく、時にリラックスできる場所でもあります。

手術中は通常、身内の医療スタッフしかおらず、和気あいあいとした雰囲気が漂うことも多いもの。特に、手術介助に入る看護師との相性が良ければ、医師のモチベーションも高くなり、手術の進行がスムーズになることもあります。

ある日のこと、外科医のB医師は、彼のお気に入りの看護師Cと共に手術に臨んでいました。看護師Cは聞き上手で、B医師のたわいない会話にも上手に相槌を打ちます。その光景はまるでキャバクラのようで、B医師はすっかりテンションが上がっていました。

手術は順調に進み、B医師は下ネタも交えた会話で盛り上がり、手術のペースも上がっていました。手術チーム全員が楽しんでいるかのように見え、結果的に良い手術になりそうでした。

しかし、その時、B医師が突然「あっ!」という一言を発しました……。

その一言で、一同は何かヤバいことが起きたことを察したのです。

なんとB医師は削らなくていい健康な骨まで削ってしまっていたのです。

手術室一同は(ついにやらかした…)という心の声が共通していたでしょう…

一瞬、手術室内は緊張が走りましたが…まずはどうリカバリーするかが重要。

急遽医師も含めてありとあらゆる物品の使用を含めて試行錯誤を繰り返し、何とかリカバリーができましたが、手術チーム全員が冷や汗をかく出来事となりました。

【教訓】

仕事を楽しくこなすことは確かに重要です。しかしながら手術室は患者さんの人生を左右しかねない業務内容。タガが外れるまで楽しむのはいかがなものかと思いますよね…。

この経験は、手術中のテンションの上がり過ぎがどれほど危険であるかを示す教訓となりました。医師に気持ちよく過ごしてもらうことは大切ですが、ある程度のテンションのコントロールは必要ですね。

③おなかの中に落ちた汗。医師の無言の圧力に闇に封印

手術は時に医師にとって非常に大変で、プレッシャーのかかる場面です。手術室は基本的に空調が効いている環境ですが、手術の難易度や状況によっては、医師は汗だくになりながら手術を進めることもあります。

ある日のこと、手術は思わぬ出血などで予定よりも時間が押してしまい、全員が緊張感を持って臨んでいました。

その中で、手術介助の看護師Dがふと執刀医Eを見たところ、彼の額に汗がにじんでいるのに気付きました。緊張感の走る環境の中で看護師Dは、外回りの看護師にどのタイミングで汗を拭いてもらうようお願いするべきか悩んでいましたが、その瞬間、執刀医Eの汗が患者の体内に落ちるのを目撃したのです。

(あっ…、やばい……。落ちた……)

すでに緊張感がフルスロットルの状況なのに…さらなるトラブル……。

開腹手術では、患者の体内はこの世で最も清潔である必要があります。

その場で汗が落ちたことに気づいたのは看護師Dと執刀医Eだけでした。

通常、患者の体内に不潔なものが落ちてしまった場合、大量の洗浄を行うなどの特殊な対応が必要です。

しかしながら執刀医Eは無言のまま、看護師Dに「黙っていろ」という圧力をかけてきました。看護師Dは悩みながらも、その指示に従わざるを得ませんでした。

後日、その患者の術後経過が気になっていた看護師Dは、感染などの問題が起きずに元気に退院したことを知りました。看護師Dはその時、「人って結構丈夫なんだな」と思わずつぶやきました。

【教訓】

この出来事は、医療現場での緊張感と、時にはそれを超える無言の圧力について現場での対応の可否に悩まされる出来事でした。医師の性格やその場の雰囲気にもよりますが、看護師の言動は思わぬ形で闇に葬られることも少なくありません。

日本の医療現場の例として、正しいことも発言できない環境の是非は医師にゆだねられているといっても過言ではないことが浮き彫りになりました。

(まとめ)

手術室では、思わずヒヤリとする瞬間が発生することも少なくありません。しかし、その裏には医療チームのユーモアと人間味が垣間見えるのも事実。

新人看護師の二日酔い事件や、テンションが上がりすぎた医師の失敗、そして汗が落ちた時の緊張感。

これらのエピソードは、医療現場の厳しさと同時に、人間らしさやチームワークの大切さを感じさせる出来事でもありました。

結局のところ、患者さんが元気に退院することが何よりも重要です。教訓として活かしつつ、いつの日にかは笑い話になる日が訪れることもあるでしょう。手術室での一日一日が特別な思い出となり、医療チームの絆を深め、今日も私たちの健康を守ってくれていると感じずにはいられません。

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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