オートバイのあれこれ『これがホンダのやり方。6気筒レーサー』
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01802373/title-1718292151333.jpeg?exp=10800)
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『これがホンダのやり方。6気筒レーサー』をテーマにお話ししようと思います。
1959年(昭和34年)のマン島TTレース出場を皮切りに、WGP(ロードレース世界選手権)へ本格的に参戦し始めたホンダ。
60年代のWGPにおけるホンダの大活躍は、オートバイレースが好きな人ならよくご存知のことでしょう。
その栄光の時代を支えたホンダのマシンのひとつが、『RC174』です。
![▲GP350レーサー・RC174〈1967/画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01802373/image-1718292186307.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
RC174の見どころは、並列6気筒エンジンを搭載していたこと。
ホンダは当時、4ストロークエンジンでライバルの2ストマシンへ対抗するため、回転数を上げられる多気筒化戦略を取りました。
125cc5気筒の『RC148』や50cc2気筒の『RC116』等は、その戦略の象徴的なマシンといえるでしょう。
RC174も、そのなかで生まれてきた1台になります。
![▲約300ccで6気筒!内部構造はまさに精密機械〈1967/画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01802373/image-1718292209831.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
RC174は350ccクラス用のマシンだったわけですが、ホンダはあえて排気量を“目一杯”にはせず、297ccに抑制。
その狙いは、各シリンダー内における燃焼(爆発)をなるべく小さくして振動を軽減することでした。
振動を抑える(=エンジンから発生する余計なエネルギーを抑制する)ことができれば、エンジンを支える周囲のパーツも簡素に済ませることができ、これによって車体全体のコンパクト化・軽量化を狙っていたのです。
このホンダの策は功を奏し、RC174は排気量縮小によるパワーロスを補って余りある俊敏な運動性を獲得。
当時のWGPではイタリアのMVアグスタが手強い存在でしたが、ホンダのライダーだったマイク・ヘイルウッドはこのRC174のキレ味鋭いハンドリングを存分に活かして勝利を重ね、結果的にシリーズ全8戦中6勝を記録。
RC174は見事、1967年シーズンの350ccクラスのチャンピオンマシンとなったのでした。
![▲RC174と共に世界王者となったM・ヘイルウッド選手〈画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01802373/image-1718292267720.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
《参考》
本田技研工業 - 700勝の軌跡