韓国の54%「過去一か月、コロナで所得が減った」...自営業は90%
今なお拡散が続く新型コロナウイルス。韓国社会にも大きな影響を与えている。特に経済面では顕著だ。最新の世論調査の結果をまとめた。
●「減った」54%、「変化無い」45%
3日、韓国の代表的な世論調査機関『韓国ギャラップ』は毎週恒例の世論調査結果を発表した。
大統領に支持率や、15日の総選挙を控え政党支持率などが細かく公開されたが、ひときわ目立ったのが市民の生活苦を浮き彫りにさせる調査項目だった。
「最近一か月の間、コロナ19(新型コロナウイルス)のためにあなたの家庭の収入は、以前と比べどんな変化がありましたか」という質問に対し、54%の人々が「減った」と答えたのだった。「変化がない」が45%で続き、「増えた」と答えたのは1%だった。
地域別の「減った」という回答は、釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶尚南道が47%と最も低く、大田(テジョン)・世宗(セジョン)・忠清道が59%と最も高かった。
また、年齢別の「減った」という回答は、30代が39%と最も低く、50代は67%と最も高かった。
次いで、職業別で「減った」と答えたのは、自営業が90%で最も高く、技能労務(生産職)・サービスが58%で続いた。学生は48%が、専業主婦は45%だった。最も低かったのは事務・管理職で34%だった。
●生産・サービス業、学生で下降
『韓国ギャラップ』では同様の調査を3月第一週にも行っている。当時は、家庭の収入が「減った」との回答は46%、「変化がない」は51%、「増えた」は1%だった。
今回の調査と比べる場合、全体的に似た回答の傾向を示しているが、職業別の項目で差があった。3月第一週に「減った」と答えた技能労務・サービス従事者は33%、学生は29%にとどまっていた。それぞれひと月で25%ポイント、19%と大幅に収入を落としたことが分かる。
また、やはり同社が先週行った世論調査では、「今後1年の経済の展望」を聞く質問に、『景気』という項目に対し「良くなる」という回答は17%、「悪くなる」との回答は57%だった。
同様に『家計』では「良くなる」との回答は12%、「悪くなる」が56%と、韓国の人々が今後の経済状況に暗い認識を抱いていることが明らかになった。
同社はさらに、2015年に韓国で流行し感染者186人、死者38人を出したMERS(中東呼吸器症候群)時の調査とも比較している。
初めての確診者が出てから一か月の時点となる15年6月23〜24日に行った家庭の所得を聞く調査結果で、「減った」と答えたのは26%、「変化がない」73%だったとのことだ。
今回の新型コロナウイルス拡散の影響が、経済面にも及んでいることが分かる。
●大統領の支持率は5週連続で上昇
他方、文在寅大統領の職務遂行を評価する項目では、「よくやっている」が56%、「よくやっていない」36%、「どちらでもない」4%と、5週連続での上昇となった。この項目が日本で「支持率」と称されるものだ。
『韓国ギャラップ』では、前述した家庭の所得を聞く質問と、大統領の職務遂行を評価する質問を組み合わせた統計も提供した。
「減った」と答えたのは、「よくやっている」と答えた人のうち48%、「よくやっていない」と答えた人のうち63%だった。所得の減少が大統領の評価につながっていることが分かる。
なお、引用した調査結果は韓国中央選挙管理委員会の以下のリンクから確認できる(韓国語)
・4月第一週の調査結果(リンク)
・3月第四週の調査結果(リンク)
・3月第一週の調査結果(リンク)