ウクライナ戦闘機がロシア軍の自爆ドローンを空中迎撃
10月中旬からロシア軍が巡航ミサイルおよびイランから供与を受けた自爆ドローンでウクライナへの攻撃を強めたことに対し、ウクライナ軍は地対空ミサイルでの迎撃だけでなく戦闘機による空中迎撃を開始しました。
オデーサで自爆ドローンを迎撃するウクライナ戦闘機
※2022年10月22日、ウクライナのオデーサ付近での迎撃。
※ウクライナ空軍のSu-27戦闘機またはMiG-29戦闘機。
※使用したのはR-73短距離空対空ミサイル(NATO名称:AA-11アーチャー)と推定。AAMとは空対空ミサイルの略称。
※撃墜されたのはシャヘド136自爆無人機と推定。機体が小さく遠方からの撮影なので機影ははっきりとは写っていない。
※戦闘機が敵ドローンの真後ろに付いていないのは、破壊した残骸が自機に衝突してしまうのを防ぐため(この動画の迎撃の数日前に実際にそのような事故が発生)。
※R-73短距離空対空ミサイルはオフボアサイト(非砲口照準)で発射され、推力偏向パドルによる急激な機動を発揮でき、真横に居る目標だろうと撃墜可能。
10月中旬以降、この動画だけでなく複数の空中迎撃の様子が動画で報告されており、ウクライナ軍からも戦闘機が迎撃戦に参加していることが正式に発表されています。
巡航ミサイルや自爆ドローンは低く飛んで来るので地上レーダーからは地球の丸みの陰に隠れて探知し難いのですが、上空に居る戦闘機が見下ろす形ならば容易に発見できます。ただし、ウクライナ空軍は早期警戒管制機(大型のレーダーを搭載し戦闘機に指示を出す)を持っていないので、数が少ない戦闘機だけでは厳しい戦いになるでしょう。
ロシア軍の巡航ミサイルおよび自爆ドローンによる攻撃に対抗するためには、ウクライナ軍の地上の警戒レーダーの数を増やし、地対空ミサイルの数を増やし、戦闘機の数を増やす必要があります。
出来れば西側から早期警戒管制機の供与があればよいのですが、東側の戦闘機と地対空ミサイルが主体のウクライナ軍に組み込むには技術的な困難がある上に(※)、現状では西側の戦闘機すらまだウクライナに供与が行われていない状況では、まだ考慮される段階にはありません。
※データリンクできず、口頭での指示のみになる。
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