487人の女優がセクハラ被害を共同告発 ノルウェーの #MeToo
ノルウェーでも「#MeToo」(#私も)の動きが終わりを見せそうにない。
17日、最大手アフテンポステン紙の特集が大きな話題を集めた。487人の女優が名前を出し、「#出演したいなら」というハッシュタグを付けて、映画・テレビ・演劇界ではびこるセクハラ被害を世間に公表した。
短期契約でフリーランスが多い業界で、男性優位の力関係が強く残る業界。
「恋人、愛人、妻という役柄を演じることが多い女性は、現場での権限が弱い。セクハラ行為をした者は、その代償を支払うべきであり、安心して被害を申告できるシステムを作るべきだ」と女優らは訴える。
アフテンポステン紙には、匿名で女優たちの体験が掲載されている。
「私は強姦される役でした。撮影が終了したはずなのに、相手の男性は強姦する演技をやめませんでした。『やめて』と私はお願いしました。周囲の撮影チームは、笑いながらその様子を見ていました」。
「試着室で男性は突然、勃起したペニスを私に押し付けてきました。本物の自分のペニスを私に見せたいと。そのことを上司たちに報告すると、『またあいつか』という反応が返ってきました。結果、台本から役を失ったのは私でした」。
「劇場関係者とのパーティーでのことです。女優を目指していた学生の私に、ある上司が近づいてきました。『これからの未来に幸運をと、挨拶したいだけだよ』と言った彼。私を抱擁し、キスをしようとしました。私の胸を触ってきた瞬間、私は彼を押し飛ばしました」。
「劇場関係者との夏のパーティーの夜でした。家が遠かったので、私はそこで宿泊をしなければいけませんでした。急に、部屋に有名な台本作家が入ってきて、ベッドに入り込んできました。彼は下半身に何も衣類をまとっていませんでした」。
「ミュージカルで主人公をしていた私は22歳、相手役の男性は15歳年上でした。エッチなシーンの度に彼は勃起していました。私の脚の間にペニスを毎回押し付けてきて、そのシーンで彼の反応はどんどん暴力的になりました。私は毎回犯されている気分でした」。
「監督は私に透け透けの黒い下着を用意してきて、『男性を誘惑する演技を僕にしてみて』と言いました」。
このような体験が何ページにも渡り同紙には掲載されている。
業界の改善を訴えた487人の女優たちの中には、高校生ドラマ『SKAM』でヴィルデ役を演じたウルリッケ・ファルク氏の名前もある。
この日の特集に対して、ノルウェーの政治家らも「セクハラが当たり前のようにあるカルチャーを変えなければいけない」と、次々と自分たちのSNSなどでコメントを発表した。
アーナ・ソールバルグ首相は自身のFacebookでこう語る。
リンダ・ホフスタ・ヘッレラン文化大臣は、現地メディアや各業界関係者から、文化業界におけるセクハラ被害対策の対応を迫られている。
この日、「業界関係者を会議に招待し、政府からの支援金を受ける団体らはセクハラ対策をするように促しました。こんなことは、もうたくさんです」と自信のFacebookでコメントした。
Photo&Text: Asaki Abumi