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同じチームの2人が「初登板で7イニング無失点」。どちらも同じチームを封じる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドレイ・ジェイムソン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Sep 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月15日、先発マウンドに上がったドレイ・ジェイムソン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、7イニングを投げて無失点に封じた。ジェイムソンは、2019年のドラフト1巡目・全体34位だ。この日、初めてメジャーリーグで登板した。

 今シーズン、ダイヤモンドバックスの投手がデビュー登板で7イニング無失点は、ジェイムソンが最初ではない。10日前の9月5日に、ライン・ネルソンが記録している(「デビュー登板で17者連続アウトは、今世紀2人目。4年前に記録した投手はその後…」)。こちらは、2019年のドラフト2巡目・全体56位だ。ネルソンは、2登板目の9月12日も無失点。6イニングを投げた。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、1901年以降、同じシーズンに同じチームからデビューした複数の投手が、いずれも初登板で先発7イニング以上&無失点は、ネルソンとジェイムソンが3組目だという。1907年のニューヨーク・ヤンキースでキング・ブロケット(8イニング)とジョン・ノイアー(9イニング)、2002年のデトロイト・タイガースでマイク・マロース(7イニング)とアンディ・バンヘッケン(9イニング)が記録している。

 ちなみに、マロースは、今世紀最初の20敗投手だ。2003年に21敗を喫した。現時点では、今世紀唯一人の20敗投手でもある。2001年以降のシーズン19敗以上については、「21世紀2人目の「20敗投手」を辛うじて免れた右腕が、ストーブリーグでは大人気」にリストを掲載した。2017年以降は、18敗に達した投手もいなかったが、今シーズン、パトリック・コービン(ワシントン・ナショナルズ)は18敗を喫している。バンヘッケンは、2016年に埼玉西武ライオンズで10試合に登板した。日本プロ野球の初登板は、5イニング4失点(自責点3)だった。

 3組目のネルソンとジェイムソンは、初登板の合計イニングこそ前の2組より少ないが、それぞれがデビューした日は最も近い。ブロケットとノイアーも、マロースとバンヘッケンも、デビューは2ヵ月以上離れている。また、最初の2組は、どちらも初登板で違うチームを相手に投げた。ネルソンとジェイムソンは、2人とも、初登板でサンディエゴ・パドレスを封じた。

 昨シーズンも、ダイヤモンドバックスの投手が2人、初めての先発登板でパドレスを封じている(どちらも、その前にリリーフとして投げているので、メジャーリーグ初登板ではない)。テイラー・ワイドナーは、4月4日に6イニング無失点。タイラー・ギルバートは、8月14日に完封を記録した。

 ワイドナー、ギルバート、ネルソン、ジェイムソンは、4人とも、メジャーリーグ初先発でパドレスを相手に投げ、キャリア初の勝利を挙げた。パドレスは、ここ2シーズンとも、ダイヤモンドバックスに勝ち越している。昨シーズンが11勝8敗、今シーズンは11勝5敗(9月15日時点)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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