打倒不可能の域に達したバルセロナとリヴァプール。打ち砕かれたボールとスペースの概念。
フットボールには、歴史と文化がある。
イギリス人のアナリスト、マイケル・コックスは著書『Zonal Marketing』で「近年のフットボールの変化は各国のプレースタイルの変更に留まらない。覇権を握る国や戦術の傾向がめまぐるしく変わってきている」と指摘した。
コックスの指摘は正しい。特筆すべきは「覇権を握る国」と「戦術の傾向」の変化だ。
さらに言えば、それは、めまぐるしく変わるというより、なだらかに流れている。今季のヨーロッパリーグで、ヘタフェ(スペイン)がアヤックス(オランダ)を撃破した。だがホセ・ボルダラス監督率いるヘタフェのフットボールは、「チキ・タカ」ではなかった。堅守速攻を武器に、ボルダラスのヘタフェはアヤックスを下している。
「チキ・タカ」と称されるパスを繋ぐフットボールは、バルセロナとスペイン代表の黄金時代のベースとなり、世界を席巻した。ヘタフェのフットボールに、その兆候は微塵もない。だがボルダラスのスタイルを否定することは誰にもできないはずだ。
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