福岡を代表する博多ラーメンの老舗の名店から独立〈地域に寄り添う名店譲りの豚骨ラーメンは1杯500円〉
福岡県福岡市に隣接する福岡県「那珂川市」。2024年4月に独立開業したばかりの新店〈一大ラーメン〉がある。ご主人は、福岡市南区老司にある来年創業60周年を迎えるという博多ラーメンの老舗にして福岡を代表する名店で、いつも行例の絶えない人気店「一九ラーメン老司店」のご出身。また、これまで低価格路線を維持してきた同グループ店の「18ラーメン」の運営にも携わり、ラーメンそのものの美味しさを実現するとともに『大人から子どもまで老若男女の誰もが安心して食べられる一杯を』という一九ラーメン老司店の長年追求してきた想いも受け継いでいる。
独立を果たした〈一大ラーメン〉もまた、一九ラーメン老司店の「ラーメン1杯500円」という、今も変わらないその価格を継承。地元の人々がふらりと立ち寄れるような、日常食としての「博多ラーメン」を提供している。小さなお子さんが500円玉を握りしめて来店する、そんな姿を想像をしながら今回初めて訪問してみることにした。
この日は、新規開業されて4ヵ月ほどの月日が流れた8月最初の日曜日。開店直後に到着し、飲食店などが立ち並ぶ一角に店舗があり、広々とした駐車スペースはそれら飲食店の共同駐車場のようで、すんなりと駐車することができた。
ラーメン1杯=ワンコインを踏襲
開店直後の店内に入ると元気な掛け声で出迎えてくれる活気あふれている雰囲気。入口の左手にある券売機で先に食券を買うシステムで、ざっと見渡し最上段左上の「ラーメン:500円」の表示を確認。
これはご主人の出身店、一九ラーメン老司店と同じ価格。このご時世、物価や原材料の高騰の流れが下げ止まりしない状況。福岡のどこのラーメン店も苦渋の選択で値上げに踏み切っているのが実情の中、今も変わらずラーメン1杯をワンコイン=500円という価格を守り提供し続けている。その系列店である18ラーメンに至っては300円・310円という福岡の中でも指折りの低価格店としても有名。そのお店と同じ価格を、開業間もない新店でありながら踏襲している事実に驚きを隠せない。
ワンタンメンの美味しさが際立つ
そして券売機を眺めながら色々と迷いながらも、最上段の左から2番目の「ワンタンメン」を選択しプラスして「煮玉子」トッピングも発券。おそらく最も力を入れているであろうと想像がつくのが『一九とい言えばワンタンメン』というくらいの名物。特にお腹が空いてしっかり食べたい時には、ワンタンメンが最高のひと品になる。
カウンター席の一番奥に座り、食券をお渡しする時に麺の硬さを「カタ」で注文。そして待つこと少々。配膳された一杯は、実にシンプルながら美しいラーメン。スープはあっさりとしながらも、ちょっと豚骨の甘みを感じつつもカエシのキレがしっかりある美味しさで、一九や18の記憶を頭の中で比較すると、もちろん違いはあるものの、その美味しさは秀逸。
と言うより『こんなに美味しいラーメンが本当に500円でいいの?』という気持ちが前面に出てしまうくらい。そして食べ応えのある「ワンタン」もあり、こちらはかなりハイレベルな逸品。喉元に吸い込まれる皮のとろっと感と飴の肉感が最高。今まで食べた中でも一番スープとの相性が良く、あっという間に無くなる感じでとても新鮮だった。
麺も博多らしい、細ストレート麵で、歯切れもよくスープとの絡み具合も抜群。麺もスープもシンプルながら、なぜかクセになる味わいでリピートしたくなる存在感がある一杯。とても美味しくいただきました。ごちそうさまでした。
大きな通り沿いで、西鉄バスの旧那珂川営業所の目の前の立地。美味しさだけじゃなく地元の人々に寄り添う日常食としての価格設定。博多ラーメンの老舗から脈々と受け継がれたDNAを継承しながら、地元の老若男女からご家族連れまで、人々に寄り添うお店の雰囲気が〈一大ラーメン〉から感じられた。
一大ラーメン
住所 :福岡県那珂川市道善2丁目53[地図]
営業時間:11時00分~15時00分
:17時00分〜20時30分
定休日 :木曜日
駐車場 :店頭の敷地内に共同駐車場あり
要確認 :一大ラーメン(※インスタグラム)