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一際目立つ外観の一風変わったラーメン店《トッピングの紅生姜と辛子高菜の発祥とされる創業65年の老舗》

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市中央区の高砂。日赤通り沿いの「高砂2丁目」交差点の一角に、福岡市民なら一度は見たことがあるのではないだろうかと思われる、一際目立つ外観のラーメン店がある。黄と赤の2色の壁に「地球上で2番目にうまい店」というキャッチフレーズと、逆さに記された「ラーメン」の看板を掲げる一風変わったお店。

外観的に、店名表記は見当たらないので屋号を知らない方も多いのではないかと想像する。しかし、よく見ると「丸の中に〈屋〉」が描かれたシンボルマークのような図案があり、さらに〈屋〉の中をよく見ると「の・ん・き」という3つの文字が隠れていて、このお店の屋号が〈のんき屋〉と分かる仕掛けになっている。

現在は不定休でお昼のみ営業されている

お店の外観が目立っているので近くを訪れるたび、強く印象に残るのだけど、近年はあまり暖簾が掛かっているイメージがなく閉まっていることが多い。この日もいつものように信号待ちをしなら何気なく〈のんき屋〉を見つめると暖簾が掛かっていて二度見してしまった。

めずらしいので一応その外観をいくつか写真におさめて店先に近づくと「営業中」の立看板も出ていたので細いカウンターだけの店内に入ると、奥に人の気配はあるもののシーンとしていたので『入っても大丈夫ですか?』と声がけすると、奥から元気な明るい声で『どうぞ!いらっしゃいませ』という返事があった。

昔懐かしい味わいの豚骨ベースのラーメン

ご主人から「お冷」をいただきつつ「ラーメン」を注文。店内は幅の小さな奥に長いカウンター席のみ。いい具合に枯れた雰囲気で昔ながらの屋台のような感じだ。

待つこと少々で配膳された「ラーメン」は、ご主人こだわりの逸品。スープは豚骨ベースであるものの鶏、魚、野菜などで摂ったとされる出汁感のある一杯。脂感はあまりなく、あっさりとしながらもコク深い味わい。

具材はネギ、チャーシューとデフォルトで紅生姜が入っていて、どこか懐かしい一杯に仕上がっている。合わせる麺は、細ストレート麺でやわらかな食感の歯切れのいい昔ながらのひと品。ごちそうさまでした。お値段もずっと変わらず1杯ワンコインの500円。

歴史と伝統のある創業65年の老舗でもある

最後に、頭上に掲げられた額縁の中には過去の「新聞記事」などのスクラップが入っていて、それを眺めながら『長い歴史があるんですね』と(他にお客さんが居なかったので)ご主人にお話をうかがうと(器にも記載されている通り)『1959年・昭和34年の創業で、もう65年になります』というお返事。先代から代替わりもしているそうで〈のんき屋〉は、福岡市内でも屈指の老舗店でもあった。

また、初めて「紅生姜」のトッピングを置いたお店というのを何かの記事で見かけた記憶があったので、そのことも聞いてみたところ、先代の頃の話しになるけれどという前置きから、間違いなく「紅生姜」と「辛子高菜」(のラーメンへのトッピング)は当店が発祥のお店、とのことだった。あと、あまり知られていないようだが国内は福岡の1店舗のみながら「台湾」にもお店を構えられている。

そんな歴史ある老舗であり、日本で初めて「紅生姜」と「辛子高菜」のトッピングを卓上に置いたとされる〈のんき屋〉。不定休のレアなお店なので「暖簾」が掛かっていればぜひお立ち寄りください。

のんき屋

住所  :福岡県福岡市中央区高砂2丁目9-21[地図
営業時間:11時00分~14時00分

定休日 :不定休 
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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