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東京都台東区/光る人情!秘伝レシピのもつ煮込みが美味!橋場の「居酒屋食堂ふぁみーる」はサービス満点

デヤブロウ街歩きWebライター(東京都台東区)

 今回は台東区橋場の定食屋兼居酒屋「居酒屋食堂ふぁみーる」をご紹介。
 このお店があるのは台東区の北東部、いわゆる山谷エリアと隣接する橋場地区。外観や内装はごく普通の明るい下町居酒屋ながら、供される料理はどれも良質な味とボリュームで、お値段も良心的。
 しかし最大の特徴は、お店の方々と常連さん達が織りなす、ホットで和気あいあいとした雰囲気そのもの!一見さんでも入りづらさはほとんどなく、抵抗なく宴席に混ざっていける「楽しい」お店なのです。

◆こぢんまりとした店内を包むにぎやかさ&居心地良さ

「居酒屋食堂ふぁみーる」があるのは橋場のOKストアと、道路を挟んでちょうど反対側。

 店構えはご覧の通り、いたって普通の定食屋風。

 通行人を店先で誘うネオンサインや提灯も、ギラギラ感や妖しさでなく、どこかコミカルで暖かな気配を漂わせています。

 定食メニューやテイクアウトも。「一度食べたらやみつき」な「自慢の煮込み」というのが気になりますね。

 内装はオーソドックスなカウンター席+テーブル席の定食屋スタイル。店内壁面には居酒屋らしくメニューがズラリと貼られています。

 その日ごとのお薦めメニューもあります。常設のメニューと合わせるとかなりレパートリーが多いので、色々と選んで試してみても良いかも知れません。

 浮世絵風のタペストリーや店内の提灯、様々な飾り付けもたくさん。和やかで楽しい空間にしたいというお店の配慮がうかがえます。

 このお店に入ってすぐ気付かされるのは、お店の方々とお客さんの距離が物凄く近いこと。お客さん達が店主さんやママさんに、おすすめの料理やお酒について相談は当たり前。近況報告や他愛ない冗談で一緒に笑い合うこともしばしばです。

 お客さん同士でも長年の知り合いのごとく気軽に会話が弾んでおり、まるでお店全体が一つの家族のようでもあります。また、私が来店した時は、常連さんの一人がお誕生日だというので、お店の明かりを消してハッピーバースデー会がスタートしていました。

 常連さんが目立つお店ながら、私のような初来店の人間に対する居づらさなどは全くありません。お店の人達も、常連さん達も一見さんも、一体になって笑いあえる空間が自然と育まれています。

 それでは、私もその末席に座しつつ…乾杯!

◆安い&美味い&大ボリュームで大満足度の料理

 まずはお店自慢のもつ煮込み(600円)から。こちらは三ノ輪生まれ&三ノ輪育ちのお店のママさんが、生家のお好み焼き屋さんから培った秘伝のレシピを使っているそうです。

 一般的な煮込みよりもモツの割合がかなり多めで、味付けもシッカリ。それでいて脂分は程よく抜けていてクドさはなし。これは確かに一度食べたら、このお店を利用する際の定番になりそうです。

 こちらのしゅうまい(400円)は小サイズのものがたくさん盛られているタイプ。表面はパリパリ、中は肉汁じんわり。一つ一つは小さいですが、総量を考えると値段の割にかなりのコスパと言えるのでは。

 しゅうまいを食べ終える少し前に、大量の肉をドッサリ乗せた鍋が、別のテーブルへ運ばれていくのを目撃。興味を持って聞いてみると「寄せ鍋の3人前ですよ〜」とのことだったので、「寄せ鍋というか肉鍋では…!?」と思いつつ、私も1人前を頼んでみることにしました。

 こちらが寄せ鍋(900円)。そのボリュームは見た目以上で、豆腐・豚肉・厚揚げ・小松菜・もやしと、1人前とは思えない量の具が鍋の上から下まで詰め込まれていました。

 鍋の汁自体に甘めの醤油味がしっかり付いており、ポン酢などがなくても食べられます。しかも追加で〆に雑炊・うどん・お餅を選ぶことができるので、この時はうどんを頂きました。

 最後に、常連さんやママさんに「コレも美味しいですよ〜」とご紹介いただいた山芋のぬか漬け(550円)。こちらも生家のお好み焼き屋から受け継いだメニューで、長芋のトロトロ・サクサクした食感にぬか床の風味と塩味が程よくマッチング。あまり食べたことがない珍しい風味で、日本酒にもビールにも合いそうです。

◆アットホームな雰囲気と店主さん&ママさんの気遣いが光る人情酒場

 既に書いた通り、「居酒屋食堂ふぁみーる」はお店の方々とお客さん達の、距離の近さが特徴であり魅力。お店のママさん曰く、お店のコンセプトは「実家に帰ってきたようなアットホームさ」とのこと。店主さんもママさんも非常にサービス精神が旺盛で、朗らかで気さくなお人柄に驚きつつ癒されます。

 ママさん達が三ノ輪から橋場に移り住み、店を開いた当初は地域に馴染むまでかなり苦労されたとのことで、それ以前もかなりの波瀾万丈な人生を歩まれてきたそうです。数々の困難を乗り越えて、現在はすっかり橋場住民の憩いの場として定着しています。

 橋場地域は山谷エリアに直近ゆえ、時には複雑な事情や深い悩みを抱えたお客さん達も「居酒屋食堂ふぁみーる」を訪れます。そうしたお客さん達に店主さんとママさんはサービス・気遣いを欠かさず、時には本当の家族のような思いやりを込めて、再起や自立までの手助けを続けられているそうです。

 特に2020年以降のコロナ禍の最中は、お粥や補水飲料などコロナ対策グッズを配布されていたとのこと。こうした心遣いも、ママさん達が積み重ねてきた人生経験の深さゆえでしょうか。

 また、橋場や山谷には、地域住民の高齢化などを受けて、高齢者介護施設や在宅介護のオフィスも数多。そうした場所で仕事に励まれる方々の多くも、ご主人と奥様の人柄を好んで来店しています。

 私のすぐ近くで飲んでいた方が「10年くらいの常連さんかな?」というオーラを出していたので、試しに聞いてみたところ、まだ来店2回目だと聞いてビックリ!ママさんも「このお店は2回通えばもう常連になれる場所」と仰っていました。

 その方とは浅草地域のことや銭湯のことなどで大いに話が弾み、初対面なのに友人同士のように気楽に語らえたのが嬉しい体験でした。

 夜9時の閉店時間になると、店内の宴もひと段落。常連さん達もお店の方々になごやかな挨拶をして帰路に着いていきました。店主さんやママさんの願いの通りに、「らーめん居酒屋ふぁみーる」は橋場地域の方々にとって第二のホームになっているようです。

 ここでは春のお花見やワイン大会、夏の花火大会など、月々にイベントも開催しているそうなので、立ち会えたらラッキーですね。誰でも楽しく、まったり・ゆったりと地域の和に溶け込める名店に、機会があればぜひ一度!

居酒屋食堂ふぁみーる
【住所】東京都台東区橋場1−23−1
【営業時間】火〜日/11:00〜21:00
【定休日】月曜日
【電話番号】03-6802-3139

街歩きWebライター(東京都台東区)

カフェ・居酒屋探し、博物館・美術館見学、銭湯巡りや寺社探訪など、都心部の街歩きが大好き!特に都内で暮らし始めた頃に住んでいた浅草近辺、博物館・美術館が沢山ある上野界隈など、台東区内を月に2~3回は散策しています。東京23区でも面積最小ながら、歴史と見所が詰まった台東区の魅力を積極的に発掘・発信していきます!

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