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欧州組が占める日本代表を見て「隔世の感」だと感激する危うさ。その数はなぜ増えたのか

杉山茂樹スポーツライター
(写真;岸本勉/PICSPORT)

 オーストラリアに2-1で勝利した森保ジャパン。引き分け以下なら監督が解任されたかもしれない一戦に、勝利を収めた現実をどう捉えるか。なんとも言えないところだが、森保監督の続投を願う立場の人でさえ、手放しで喜んでいないはずだ。絵に描いたような辛勝劇。強そうに見えたのはオーストラリアの方だった。40対60ぐらいの関係を強いられた。アウェー戦(3月24日)が苦戦必至であることは、この一戦から容易に判断することができた。

 オーストラリア代表選手の方がプレーに余裕があることは一目瞭然だった。その点で勝るのは日本代表選手の方だと思っていたこちらには、有観客で行われたホーム戦にもかかわらず、オーストラリアペースで進む展開が、予想外な光景として目に飛び込んできた。それぞれの優劣について、見立てを誤った理由はなぜか。監督采配もさることながらに、日本選手を買い被っていたこともその一因だろう。過大評価していたことになる。

 欧州組の数は、日本代表が右肩上がりであることを語る時、引き合いに出されるデータだ。その数を正確に把握していないが、知られた名前だけでも50人程度はいる。これを「隔世の感」だと言って感激するオールドファンは多い。

 確かに欧州は華の都。サッカー選手にとって憧れの舞台だ。そこでプレーすることは一流の証に見えるが、欧州と一口にいっても広大だ。国の数だけ国内リーグがある。そこには1部リーグだけでも20チームある。受け皿となるクラブは無数にある。レベルの高い一流クラブもあるが、そうではないクラブもある。こうした現実が、かつては見えていなかった。欧州のチームと言えば、すべてがハイレベルという感覚でいた。

 下に記したのは、55の国と地域で構成されるUEFAの、現在のリーグランキング上位20ヶ国だ。

 1)イングランド、2)スペイン、3)イタリア、4)ドイツ、5)フランス、6)ポルトガル、7)オランダ、8)オーストリア、9)ロシア、10)スコットランド、11)ウクライナ、12)セルビア、13)ベルギー、14)スイス、15)クロアチア、16)チェコ、17)キプロス、18)ギリシャ、19)トルコ、20)ノルウェー

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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