古着好きがたくさん!ノルウェー音楽祭のフェスファッション写真レポート
8月、首都オスロではノルウェー最大級の音楽祭のひとつとされるオイヤフェス(Oyafestivalen)が開催された。
毎年チケットが完売するオイヤには、北欧や世界各国からの注目アーティストが集まる。ノルウェーのアーティストにとっては、オイヤのメイン会場に立つことが、大きな夢のひとつともいえる。
オイヤには、音楽好きだけでなく、ビールを飲みながら友人と交流するなど、その場の雰囲気を楽しむために集まる人も多い。首都中心部で開催されるため、来場者の服装も多種多様だ。
オイヤには、おしゃれな人が集まることでも知られている。今回は、地元民の「フェスファッション」に注目してみた。
筆者は、これまでにもノルウェーのファッションウィーク中のストリートファッションや、雑誌や本の撮影のために街の人々の服装を撮影してきた。
今回のオイヤ・ファッションは、その中でも特に撮影しがいのあるものとなった。
フレテックス古着好きが圧倒的に多い
5日間、撮影していて驚いたのは、「古着好き」の多さだった。特に、「フレテックス・ファッション」の多さには度肝を抜かれた。
フレテックス(FRETEX)というのは、ノルウェーでは有名なヴィンテージチェーン店だ。
全国各地には、フレテックスの赤い色の寄付箱が設置されており、人々は不必要となった衣服をそこに無償で提供し、店頭で安い価格で販売される。
ノルウェーの普段着としておなじみのH&Mだけではなく、高級ブランドの服も寄付されるため、「フレテックスといえば、こういうスタイル」というものはない。
今回、筆者が撮影して話しかけた人々のうち、恐らく8割ほどがフレテックスで購入した服を身に着けていた。
オスロの通りを歩く人のファッションを撮影していると、古着やH&Mの確立が高いのは前からなのだが、「フレテックスで買った」と、古着屋の店名がここまで撮影対象者の口から出てくるのは、初めてだった。
オイヤフェスは、環境に優しい様々な取り組みをする音楽祭としても知られている。そのため、会場のポップアップストアの中には、フレテックスもあった。
別記事「世界一エコな音楽フェス 徹底されたゴミ分別や食品ロス削減対策 ノルウェーからの緑レポート」
フェス会場にあるフレテックスで服を購入し、すぐさま着替えている人も多かった。
オイヤが開催される8月は、天気も変わりやすい。1日中いれば、夏と秋、快晴と雨・強風を一度に体験することもある。だからこそ、複数のパターンの服が必要とされてくる。
ほかにも会場には服を売る店がでており、オイヤは実は、「服を購入し、その場で着替える場」でもある。
今年は異常気象で暑い夏が続いたため、例年に比べて、雨対策の服や靴で来ている人は少ない印象を受けた。
オイヤのファッションは、個性豊かだ。20~30代の若者たちが、お金を節約しながら、自分らしい恰好をしようとし、ユニークで工夫に富んでいる。
キモノガウン、羽織風がトレンド?
今年は、羽織・着物風の上着、花柄が特に多く、最近のトレンドも垣間見れた。
それにしても、ここまでフレテックス率が高いとは思わなかった。古着好きのノルウェー人の暮らしが伝わる写真ばかりが集まった。
そのほかのフェスファッションの写真は「note ノルウェー北欧便り」にも掲載中
Photo&Text: Asaki Abumi