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ノルウェー野外フェスでの雨対策

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
野外フェスでのノルウェー人の雨対策レベルは?Photo: Asaki Abumi

8月8~12日はノルウェーで最も有名な音楽フェスである「オイヤ」が開催されている。自然が豊富なノルウェーでは、夏に野外フェスが全国各地で開催される。

アウトドア好きが多いノルウェーには、「悪い天気というものはなく、あるのは悪い服装だけ」という有名な表現がある。雨、雪、風のどのような日でも、しっかりとした服装をしていれば、天気に左右されることなく、外での時間を楽しめるというポジティブな考えだ。

野外フェスではどうしても雨が降ることがある。オイヤ音楽祭が始まったばかりの9日は、南部で大雨が続いた。音楽フェスでノルウェーの人々はどのような格好をしているのだろう?

普段着に使い捨てのカッパは十分とはいえない Photo:Asaki Abumi
普段着に使い捨てのカッパは十分とはいえない Photo:Asaki Abumi

傘の持ち込みは禁止されており、フェスの公式HPでは、レインコートを持参するように推奨されていた。

ヘルゲセン気候・環境大臣(右)も雨具で登場 Photo:Asaki Abumi
ヘルゲセン気候・環境大臣(右)も雨具で登場 Photo:Asaki Abumi

オイヤ祭では雨の日には会場は泥だらけになる。来場者がどれだけ雨に備えているかという光景もフェスの名物ともなっており、現地のメディアに報道される(例:最大手新聞アフテンポステン、国営放送局NRK)。

オープンしてから間もない14時頃、会場では土砂降りの雨が続いていた。ジーンズや運動靴、使い捨てのカッパを着ている人がいたが、雨の勢いが強すぎて、結局濡れている人の姿が多かった。

泥の地面は疲労しやすいので靴選びは重要 Photo:Asaki Abumi
泥の地面は疲労しやすいので靴選びは重要 Photo:Asaki Abumi

雨の日のオイヤ祭には、登山ファッションが一番心強いかもしれない。ノルウェーで見かける「漁師用の帽子」も雨しのぎに役立ち、使用している人がいた。

雨の日のフェスを存分に楽しめる山ファッション Photo:Asaki Abumi
雨の日のフェスを存分に楽しめる山ファッション Photo:Asaki Abumi
北極圏で漁業が有名なロフォーテン諸島でお土産に売られている人気の漁師帽子
北極圏で漁業が有名なロフォーテン諸島でお土産に売られている人気の漁師帽子

泥だらけの地面と雨には、レインブーツや登山靴が適している。毎年、準備が足りずにサンダルなどで会場にやってきて、足がずぶ濡れになっている人もいる。

スーパーのプラスチックの袋などで靴をなんとか守っている人もおり、このような人は失敗例として報道カメラマンに撮影されやすい。

プラスチックの袋で靴をカバー Photo:Asaki Abumi
プラスチックの袋で靴をカバー Photo:Asaki Abumi

雨を楽しむ心

この日は首都オスロでも地下室や地下鉄構内が浸水するほどの大雨となった。とはいえ、雨の日でも笑顔で楽しんでいる人が多かったのは、ノルウェーの野外フェスならではの光景ともいえるかもしれない。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

Photo&Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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