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EURO2024、なぜスペインは決勝に進出できたのか? #専門家のまとめ

小宮良之スポーツライター・小説家
(写真:ロイター/アフロ)

EURO2024、スペインは優勝候補の一角ではありましたが、ここまで圧倒的な勝ち方をするとは予想されていませんでした。カタールW杯で「ポゼッションは優れているが、守りを固められると…」という弱点を露呈していたからです。それがなぜ、どれだけガードを固めてもノックアウトするような派手で華々しいサッカーができるようになったのか。

それは、大きなトピックスになっている16歳アタッカー、ラミン・ヤマルの活躍が大きいでしょう。

ココがポイント

16歳、ヤマルの活躍は大きな話題に

スペイン16歳ヤマル、EURO史上最年少ゴール記録を20年ぶり更新 準決勝フランス戦で豪快ゴラッソ(FOOTBALL ZONE )

▼ヤマルはリオネル・メッシと同じ土壌で誕生した天才

【欧州選手権】ラミン・ヤマルの最年少弾でスペインが決勝進出 メッシがバロンドールに〝推薦〟(東スポWEB)

▼ヤマルと対角のサイドアタッカー、ニコ・ウィリアムズの台頭も

ユーロ2024で市場価値爆上がり中 ニコ・ウィリアムズはこうしてブレイクした(Web Sportiva)

エキスパートの補足・見解

スペインは、パス主体のサッカーが特徴でした。今回も、ロドリは大会屈指のプレーメイカーで、技術レベルの高い選手がずらり。ボールを握る力は強さにつながっていましたが、つなぐこと自体が目的になってしまうこともありました。

その中で、右サイドにヤマルという16歳アタッカーが台頭しました。相手が城門を閉ざしても、それをハンマーで叩き割ってしまえるようになったのです。事実、先制されても逆転しています。

うまさを強さに昇華させたと言ったところでしょうか。

また、その対角の左サイドにニコというガーナ系アタッカーが活躍するようになったことも大きいと言えます。相手を両サイドから蹂躙。守る方はヤマルだけでなく、ニコも…。

「いいサッカーをするが勝てない」

そう言われていたスペインが、決勝に進出したのは必然かもしれません。

スポーツライター・小説家

1972年、横浜生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。競技者と心を通わすインタビューに定評がある。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)『アンチ・ドロップアウト』(集英社)。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。他にTBS『情熱大陸』テレビ東京『フットブレイン』TOKYO FM『Athelete Beat』『クロノス』NHK『スポーツ大陸』『サンデースポーツ』で特集企画、出演。「JFA100周年感謝表彰」を受賞。

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