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最低賃金での求人にケチ付けてる暇があったら最賃以下の中小零細企業をなんとかしろ

城繁幸人事コンサルティング「株式会社Joe's Labo」代表

共産党が「ワタミが13都道府県で最低賃金で求人している」と批判していて思わず笑ってしまった。

当たり前の話だが、いくらで求人出そうが企業の自由である。別にタコ部屋に監禁してるわけじゃないんだからな、嫌だったら応募しなきゃいいんだぞ。それを、さも鬼の首でも取ったかのように「社会的責任を果たしていない」などと社名を出して攻撃するのって、選挙前に芸能人の親族の生活保護受給を実名出して叩きまくってた自民党・片山センセイとまったく同じレベルじゃないか。共産党も落ちたもんである。

とりあえず、ワタミは営業妨害で共産党を訴えた方がいい。

さて、筆者が興味深いなと思ったのは、彼らが「大企業はもっと払うべきだ」というスタンスなこと。じゃあ中小企業はもっと安くても問題ないんですね(笑)ていうか、地方行くと実際最賃以下の中小零細企業って割と普通にあるんですけど。

筆者は別に弱者目線が売りな人ではないのであんまりそういう話はしないけれども、仮に「とりあえず弱者救済、格差是正が最優先事項で、そのために社会をあれこれ手を加えて大きな政府を作るべきだ」というスタンスだとしたら、たぶん中小企業の労働条件のことをメインテーマに据えて話をすると思う。だって、大手よりよっぽどそっちの方がひどいから。やれ大手のどこそこがブラック企業だなんだと粗さがしするのって、はっきりいって庶民のジェラシー煽ってガス抜きするくらいの効果しかないだろう。

まあそうなると体力の無い中小に労働者の生活を丸抱えしろなんて絶対に無理な話なので、結局は終身雇用自体を否定→国がセーフティネット何とかしましょう→増税もセットでね、という話になって共産党的にはつまらないんだろうけど。

要するに彼らとしては本当の弱者なんて実はあんまり興味無くて、とにかく大きな会社を叩くことが至上命題なのだろう。

というわけで、弱者の皆さんはこういう人達についていっても何にもいいことないですよ。多分もっと貧乏になるだけだろう。ああ、でも反原発デモとか秘密保護法反対デモとかに誘ってくれるヘンなお友達はいっぱい出来るかもしれないけど。

人事コンサルティング「株式会社Joe's Labo」代表

1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。08年より若者マニフェスト策定委員会メンバー。

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