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春嵐のあと、関東は夏日続出で、桜は急速に見頃へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

まずは春嵐に警戒を

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

きのう26日(火)は、急速に発達する南岸低気圧の影響で、全国的に雨や雪が降り、北風も強く、冬の嵐となりましたが、きょう27日(水)は一転して、全国的に青空が広がっています

ところがこの晴天も束の間で、今度は春の嵐がやってきそうです。上図のようにあす28日(木)は西日本で午前中から雨となり、夜には関東でも雨となるでしょう。そしてこの雨雲は時間を追うごとに強い南風を伴うようになり、あさって29日(金)にかけては、東日本や北日本を中心に、春の嵐となりそうです。

特にあさって29日(金)朝の通勤時間帯は、東海から関東にかけて、強い南風を伴った横殴りの雨が降り、交通機関に影響が出るおそれもあります。最新の情報にご注意ください。そしてこの強い南風とともに、季節外れの暖気が関東を中心に流れ込む予想です。

季節外れの暖気が流入

上空の暖気予想(ウェザーマップ)
上空の暖気予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の暖気の予想で、オレンジ色の6度以上で、地上では20度以上まで上がり、ピンク色の9度以上ならば、25度以上の夏日となる可能性のある暖気です。これは関東では平年より10度近くも高く、5月中旬から下旬並みの季節外れの暖気に相当します。この暖気の影響で、夏日続出が予想されています。

週末は夏日続出で、桜は急速に見頃へ

天気と予想最高気温(ウェザーマップ)
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

ウェザーマップによる予報では、春嵐が終わるあさって29日(金)昼過ぎには晴れ間が戻って20度以上まで上がり、しっかり晴れる予報の30日(土)から31日(日)にかけては、練馬、熊谷、館林など、関東で25度以上の夏日が続出する予想です。東京都心も24度まで上がる予想で、各地で5月中旬から下旬並みの汗ばむ陽気となるでしょう。

この初夏の陽気は週末にピークとなるものの、来週にかけても、関東以西では20度前後の平年より高い暖かな状態が続く見込みです。東京など遅れている桜の開花ですが、この初夏の陽気で、一気に花開き、週末から週明けにかけて、急速に見頃となる所が多くなりそうです。

東京の桜開花は51年ぶりに積算温度700度超え

東京の桜、2月1日から開花日までの最高気温の積算温度(筆者作成)
東京の桜、2月1日から開花日までの最高気温の積算温度(筆者作成)

東京の桜に関して、積算温度600度の法則とも言われるものが存在します。これは2月1日からの最高気温を毎日足していき、600度になる頃に開花することが多いというものです。筆者が作成した1927年からのデータをみると、以前はなかなか600度では開花とはならなかったものの、近年は年による差が大きいものの、おおむね600度程度が目安になっていることが分かります。

ところが今年はきのう3月26日(火)までで、すでに715.7度に達していて、それでもまだ咲いていません。これは近年では珍しく、3月に入ってから低温傾向となっているため、桜のつぼみが積算温度ほど、成長していないことが挙げられるかと思います。

積算温度が700度を超えたのは、すでに1973年以来、51年ぶりとなっていますが、仮にきょう3月27日(水)に開花したとしても、730度を超えるため、1962年768.1度に次ぐ、2番目に多い積算温度の記録となります。もし仮にあさって29日(金)以降まで開花が持ち越しとなれば、1962年の記録を超える可能性も出てきます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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