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エンジェルスの元監督はヤンキースのベンチ・コーチに。エンジェルスの前監督はパドレスの監督になれず

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルトゥーロ・モレノ(左)とブラッド・オースマス Feb 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンの監督が出揃った。30チーム中8チームは、今シーズンとは違う監督で開幕を迎える。6チームの監督が決まったところまでは、こちらで書いた。

「6人の「新監督」が決まり、残るは2チーム。エンジェルスの前監督とカブスの前監督はパドレスの候補に」

 この時点で未定だったミルウォーキー・ブルワーズとサンディエゴ・パドレスの監督には、それぞれ、パット・マーフィーマイク・シールトが就任した。2人とも、内部昇格だ。パドレスの監督候補のなかには、ロサンゼルス・エンジェルスの前監督、フィル・ネビンもいたが、実現はしなかった。

 ネビンは、1999年から2005年の夏まで、パドレスで806試合に出場した。通算12シーズンで出場1217試合なので、約3分の2がパドレス時代だ。全盛期もそう。2000~01年はレギュラーの三塁手として、それぞれ、31本塁打とOPS.916、41本塁打とOPS.976を記録した。2001年は、最初で最後のオールスター・ゲームにも選ばれた。

 ネビンと同じく、シールトも監督の経験者だ。2018年の途中から2021年まで、セントルイス・カーディナルスを率いた。カーディナルスは、2019年から3年続けてポストシーズンへ進出。監督がオリバー・マーモルに代わった2022年も含めると、4年連続だ。シールトの解任については、こちらで書いた。

「3年連続ポストシーズン進出の監督が解任。その理由は…」

 一方、エンジェルスの元監督、ブラッド・オースマスは、来シーズンからニューヨーク・ヤンキースのベンチ・コーチを務める。ヤンキースのベンチ・コーチだったカルロス・メンドーザがニューヨーク・メッツの監督となり、ヤンキースは後任を探していた。

 オースマスは、2019年にエンジェルスで采配を振った。マイク・ソーシアジョー・マッドンの間だ。2014~17年に、デトロイト・タイガースでも指揮を執っている。2022年はオークランド・アスレティックスでベンチ・コーチを務めており、1年のブランクを経て「現場復帰」ということになる。

 選手時代は、捕手として、メジャーリーグの4チームで計18シーズンを過ごし、ゴールドグラブを3度受賞した。4チームのなかにヤンキースは含まれておらず――エンジェルスも入っていない――ヤンキースのアーロン・ブーン監督とチームメイトだったこともない。

 だが、オースマスにとって、ヤンキースは古巣、という見方もできる。1987年のドラフトで、ヤンキースから48巡目・全体1152位指名を受け、1992年まで傘下のマイナーリーグでプレーした。オースマスは、その年のオフにエクスパンション・ドラフトでコロラド・ロッキーズに指名され、翌年の夏にトレードでパドレスへ移籍。その2日後にメジャーデビューした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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