大阪桐蔭には因縁の敦賀気比! 仙台育英は強打の慶応と初戦! センバツ組み合わせ決まる
センバツの組み合わせが決まった。史上初の2度目のセンバツ連覇を狙う大阪桐蔭(タイトル写真)は甲子園で過去2度対戦し、1勝1敗の敦賀気比(福井)と。また昨夏、東北勢で初めて甲子園大会を制覇した仙台育英(宮城)は慶応(神奈川)と初戦で当たることになった。なお、本記事から選手の学年は4月からの新学年。
最後まで相手が決まらなかった大阪桐蔭
抽選では、大阪桐蔭の相手が最後まで決まらず、福井勢のいずれかという状況だった。先に引いた気比が大阪桐蔭のブロックに入り、対戦が決まった次第。両校は過去2度、甲子園の準決勝で対戦し、1勝1敗。勝った方がそのまま大会を制している。平成26(2014)年夏は壮絶な打ち合いとなり、15-9で大阪桐蔭が勝った。翌春は気比が松本哲幣選手の2打席連続満塁弾などで11-0と圧勝。勢いに乗って北陸勢初の甲子園制覇を果たした。近年では一昨年秋の神宮大会でも当たり、8-4で大阪桐蔭が勝っている。
両校主将は「守り合い」を予想
こうした経緯もあり、大阪桐蔭の西谷浩一監督(53)と気比の東哲平監督(42)は取材席で顔を合わせるなり「よく当たるなあ」と苦笑い。東監督が「一昨年の神宮で前田(悠伍・3年=主将)君が出てきたら、全く打てなかった」と言うと、西谷監督は「前田のイメージはできてるはず」と警戒していた。気比の濱野孝教主将(3年)が「守りは自信がある。何とか前田君に食らいついていきたい」と話せば、前田も「(今チームは)打てる選手があまりいないので、守り勝ちたい」と応じ、接戦を予想した。実績十分の大阪桐蔭優位は動かないが、初戦ということで前田の出来次第では波乱の可能性もある。
仙台育英投手陣対慶応打線
夏の覇者・仙台育英は関東の名門・慶応が相手。昨夏の優勝を経験している3投手が健在の仙台育英投手陣と、昨秋の公式戦12試合でチーム打率.393、15本塁打の慶応打線との対戦が楽しみ。慶応のチーム打率は36校中2位で、本塁打と1試合あたりの平均得点は1位。レベルの高い神奈川と関東での数字なので信頼度が高く、仙台育英の須江航監督(39)も「打力があり、組織力、一体感のある強いチーム」と警戒を緩めない。
清原の登場で雰囲気変わるか
しかし仙台育英投手陣の総合力は質、量とも36校中トップで、打ち崩すのは容易ではない。「できれば5点以内に抑えたい」と須江監督は控えめだが、慶応には往年の大打者・清原和博氏(55)の次男・勝児(2年)がいて、彼の登場で球場の雰囲気が大きく変わるかもしれない。「初戦ということでいかにストレスを感じさせず試合に入れるか。目の前の一戦に集中したい」という須江監督の言葉はあながち謙遜でもなかろう。夏春連覇に向けて、楽な相手でないことは確かだ。
試合間隔に配慮した日程に
今大会は36校の出場で1回戦が4試合ある。また決まった対戦ヤグラ通りの試合順ではなく、勝ち上がることを前提に、なるべくどのチームも均等な試合間隔となるように設定されている。ヤグラを抽選で分けたA~Dの4つのブロックに分けて、展望したい。ちなみに大阪桐蔭はCブロック、仙台育英はDブロックに入った。
山梨学院打線対東北・ハッブス~Aブロック
開幕試合の東北(宮城)と山梨学院は好カード。山梨学院の打線が東北のエース・ハッブス大起(3年)をいかに攻略できるか。智弁和歌山は大型選手を揃え、投打とも力強い。光(山口)と彦根総合(滋賀)の初出場同士も僅差の好試合が期待できる。21世紀枠の氷見(富山)は開幕試合の勝者が相手。また作新学院(栃木)の大型右腕・小川哲平(2年)にも注目したい。
広陵と二松学舎は強打者対決に~Bブロック
ブロック随一の総合力を誇る広陵(広島)は、4大会連続出場の二松学舎大付(東京)が相手。昨夏の甲子園で鮮烈デビューを果たした二松学舎の主砲・片井海斗(2年)と、世代最強打者の呼び声高い広陵・真鍋慧(3年)のアーチ合戦が見られるか。専大松戸(千葉)の平野大地(3年)は最速151キロで、右腕では全国屈指の逸材だ。北陸(福井)と高知の勝者が相手となる履正社(大阪)も投打に層が厚い。
沖縄尚学は厳しい組み合わせに~Cブロック
大阪桐蔭が入った激戦ブロック。ライバル一番手と目される沖縄尚学は1回戦からの登場で、大垣日大(岐阜)に勝ってもクラーク記念国際(北海道)が待ち受ける厳しい組み合わせ。このブロックには21世紀枠2校が入り、石橋(栃木)は能代松陽(秋田)と、城東(徳島)は東海大菅生(東京)と当たり、初勝利を狙う。このブロックと次のブロックは3回戦と準々決勝が連戦となり、投手起用も上位進出のカギを握る。
優勝経験6校が揃い、高松商主将が選手宣誓~Dブロック
9校中6校に甲子園優勝経験がある最激戦ブロック。4強最右翼の仙台育英は、慶応に勝っても、龍谷大平安(京都)と長崎日大の勝者と3回戦でぶつかり、息が抜けない。1回戦から登場の東邦(愛知)も投打にハイレベルでまとまるが、相手も日程も厳しい。初戦屈指の好カードとなった健大高崎(群馬)と報徳学園(兵庫)は、「機動破壊」と呼ばれる果敢な走塁で知られる健大が、今大会ナンバーワン捕手の報徳・堀柊那(3年=主将)に対し、どこまで仕掛けられるか。堀は「肩の調子も上がってきた」と、盗塁阻止に自信をのぞかせる。また第1回センバツ優勝の高松商(香川)・横井亮太主将(3年)が選手宣誓に決まった。
甲子園の全国大会にふさわしいカード続出
後半のC、Dブロックに強豪が集中した印象で、それぞれの連覇を狙う大阪桐蔭と仙台育英は勝ち進めば準決勝で当たる。4年ぶりのリアル抽選会となり、センバツらしい複雑な抽選で、ネット配信をご覧になった皆さんもやきもきされたことと思うが、決まったカードを見渡すと、「これぞ甲子園の全国大会」と胸を張れる。応援も4年ぶりに声出しが可能(マスク着用)となり、ようやく甲子園の高校野球も本来の姿を取り戻す。