甲子園優勝経験が6校も!高校野球シーズンを締めくくる神宮大会には、超豪華メンバーが集結する
20日に開幕する明治神宮大会(タイトル写真)には、全国10地区の秋季大会優勝校が集結する。地区大会では波乱も多く、来春のセンバツには関東や九州から「甲子園デビュー」の学校もありそうだ。ただ、やはり地区の王者となると話は別で、名門や強豪が出揃った。まずはその出場校と、甲子園での最高成績をみてみよう。
北海道=東海大札幌(センバツ準優勝)
東北=聖光学院(福島=選手権4強)
関東=横浜(神奈川=センバツ優勝3、選手権優勝2)
東京=二松学舎大付(センバツ準優勝)
北信越=敦賀気比(福井=センバツ優勝)
東海=大垣日大(岐阜=センバツ準優勝)
近畿=東洋大姫路(兵庫=選手権優勝)
中国=広島商(センバツ優勝1、選手権優勝6)
四国=明徳義塾(高知=選手権優勝)
九州=沖縄尚学(センバツ優勝2)
甲子園ファイナリスト9校の豪華版
実に甲子園優勝経験が6校、準優勝経験3校というこれまでにないほどの豪華なメンバーが揃った。神宮大会が、現在のように地区大会優勝の10校で行われるようになったのが2002年からで、翌03年センバツから、神宮大会優勝校の所属地区が増枠となる「神宮枠」が与えられるようになった。以前の神宮大会は「お祭り」的な要素が色濃く、地区によっては優勝校以外の学校が出場することも少なくなかった。ちなみに近畿は、地区大会に出ていない数校で出場校決定戦をやっていた記憶がある。
「神宮枠」導入直後よりも伯仲した試合が増える
この「神宮枠」をめぐっては、特に導入直後はさまざまな思惑も入り交じり、必ずしも全ての学校が全力を尽くしたとは思えないような例も散見された。また事実上、全校が翌春のセンバツに選ばれることになるので、「本番」を前に手の内を見せたくないというのも偽らざるところだろう。実際に、神宮で勝って、本番のセンバツでリベンジされた対戦もある。ただ最近は、頂点に立てば「全国優勝」には違いなく、「センバツへのアドバンテージにもなる」という発想から、以前よりも伯仲した試合が多くなった印象が強い。
東洋大姫路など、1回戦から登場組は優勝まで4勝必要
さて肝心の展望であるが、10校という数の半端さから、1回戦が2試合、組まれることになり、ここに入った4校は、優勝するためには4勝が必要になる。仮に決勝まで勝ち残るとすれば、6日間で4試合という強行軍でもある。
1回戦
A=聖光学院-東洋大姫路
B=東海大札幌-大垣日大
準々決勝
C=明徳義塾-横浜
D=沖縄尚学-敦賀気比
E=二松学舎大付-Aの勝者
F=Bの勝者-広島商
準決勝
Cの勝者-Eの勝者
Fの勝者-Dの勝者
初戦の注目は明徳と横浜の激突
最近は各地区大会もネット配信で見ることができるので、かなり客観的に展開予想ができる。初戦の注目カードは、明徳と横浜の対戦だ。甲子園でも凄まじい対戦があった両校だが、明徳は今夏の甲子園でも活躍した左腕・池崎安侍朗(2年)と里山楓馬(1年)のバッテリーが健在。対する横浜も、経験豊富な左腕の奥村頼人(2年)、本格派右腕の織田翔希(1年)の強力投手陣が看板だ。池崎は四国大会中に体調を崩して苦しい投球になったが、野手陣の奮起に助けられた。しっかり調整できれば、簡単には攻略されないだろう。横浜は関東大会で有力投手との対戦が続く中、要所で機動力や守備力の本領を発揮してスキのなさを見せた。3点をめぐる攻防か。
東洋大姫路の阪下は大会ナンバーワン
この勝者に勝るとも劣らないのが近畿王者の東洋大姫路で、最速147キロ右腕の阪下漣(2年)は、近畿大会27回2/3でわずか1失点を誇り、今大会でも実力ナンバーワンと言っていい。特に走者を背負ってから簡単に決定打を許さない投球術は見もので、要所でギアを一気に上げる。近畿大会で好調だった打線が、しっかり援護できるかがカギだろう。初戦を突破しても、好投手・及川翔伍(2年)のいる二松学舎大付が待ち受ける厳しい組み合わせとなった。また、沖縄尚学と敦賀気比も目の離せない試合になりそうだ。沖縄尚学の左腕・末吉良丞(1年)は、がっちりした体格から、最速150キロの直球を投げる。対する気比も1年生投手陣で、左腕の管田彪翔、右腕の五十子李壱(いがっこ・りいち)の継投策で対抗する。
「神宮覇者はセンバツで優勝できない」ジンクスは解消
「神宮枠」ができてから、この大会の優勝校は、センバツで優勝できないというジンクスがあったが、3年前の覇者・大阪桐蔭が、翌春センバツでも頂点に立ち、嫌な流れを断ち切った。7日の東京大会を見ていると、寒さとの戦いも強いられそうで、猛暑時とは違ったコンディショニングも求められる。甲子園にはなかなか来られない関東のファンには、ぜひとも神宮に足を運んでいただき、シーズンの締めくくりとなる熱戦を楽しんでもらいたい。