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エンジェルスから移籍のエステベスは、フィリーズでも試合を締めくくり「かめはめ波」を繰り出せるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・エステベス Jun 15, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月27日、フィラデルフィア・フィリーズは、マイナーリーガーの2投手と交換に、ロサンゼルス・エンジェルスからカルロス・エステベスを獲得した。

 今シーズン、エステベスは、34登板で34.0イニングを投げ、奪三振率8.47と与四球率1.32、防御率2.38を記録している。20セーブを挙げ、セーブ失敗は3度。成功率は87.0%だ。

 奪三振率は低めながら、このままいくと、与四球率と防御率は自己ベストを更新する。これまでのベストは、奪三振率が2023年の11.26、与四球率が2019年の2.88、防御率は2022年の3.47だ。2022年までは、コロラド・ロッキーズで投げていた。

 昨シーズンは、7月末までの43登板(43.0イニング)で防御率1.88だったが、8月以降は20登板(19.1イニング)で防御率8.38と崩れた。ただ、2022年は、7月末までの40登板(34.2イニング)で防御率4.67に対し、8月以降は22登板(22.1イニング)で防御率1.61を記録した。

 現在の年齢は31歳。今シーズンは、2年1350万ドルの契約2年目なので、今オフにFAとなる。

 エステベスを放出するまでのエンジェルスと違い、フィリーズは、クローザーが完全に固定されているわけではない。例えば、ジェフ・ホフマンは、6月30日から7月10日まで4登板続けて9回のマウンドに上がり、いずれも被安打ゼロで4セーブを挙げたが、7月11日以降は5登板とも8回に登板している。

筆者作成
筆者作成

 ちなみに、ホフマンは、通算601セーブのトレバー・ホフマンとは無関係。こちらは、昨シーズンまで通算2セーブ、今シーズンは9セーブだ。ホゼ・アルバラードは、今シーズンの13セーブを含め、通算45セーブ。エステベスは、通算76セーブを挙げている。

 また、今シーズン、フィリーズでセーブを記録している6人のうち、リカルド・ピントは、5月からAAAで投げている。サランソニー・ドミンゲスは、7月26日にボルティモア・オリオールズへ移籍した。このトレードについては、こちらで書いた。

「どちらも勝率リーグ1位、買い手と買い手のトレードが成立。外野手の入れ替えはマーシュに影響あり!?」

 これから、エステベスは、セットアッパーとして投げることが多くなるだろうが、試合を締めくくってセーブを挙げる機会も――その時に、かめはめ波を繰り出すかどうかはわからないものの――ありそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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