ボーイング衛星が宇宙で破壊!?20個以上の宇宙ゴミとなり散乱、衛星に危険を及ぼすスペースデブリとは
10月21日、ボーイング社が製造した通信衛星「intelsat 33e」が軌道上で消失したことが発表されました。本記事では、今回の事故の詳細や、スペースデブリの危険性について解説していきます。
■原因は不明だが、20個以上のデブリに分解している状況
アメリカのインテルサット社は、各国の通信事業者に対して自社の衛星を用いて、データ通信サービスを提供しています。2016年、インテルサット社がボーイング社に発注をし開発した通信衛星「intelsat 33e」が打ち上げられました。衛星の重さは6.6トンで、大きさは自動車程度のサイズです。
翌2017年からは通信データサービスを開始していたところ、2024年10月21日より通信が途絶する事態となります。これにより、欧州やアフリカなどの地域で一時的に通信サービスが停止しました。
アメリカ宇宙軍による追跡によると、現在は20個以上の破片に空中分解しているとのことで、衛星は全損し、宇宙ゴミと化した見込みとのことです。衛星が分解した原因は現在のところ不明ですが、デブリの衝突や、衛星に搭載されている推進剤やバッテリなどの爆発などが考えられます。また、本衛星には全損時の保険がかけられていなかったとのことです。
■地球を取り巻く宇宙ゴミ「スペースデブリ」
宇宙ゴミである「スペースデブリ」とは一体どんなものなのでしょうか。1900年代後半より激化してきた宇宙開発において、打ち上げて使用済みとなったロケットや、故障してしまった人工衛星などが大量に発生しています。これらが互いに宇宙でぶつかることによって大量の破片を発生させており、これをスペースデブリと呼んでいます。
地球を回る物体は、地球による引力と回転による遠心力がつりあっています。地球を回っているスピードは、なんと秒速8km。ライフルの弾丸の速度が秒速1kmですので、いかに高速かがわかるかと思います。アメリカの宇宙戦略軍によると、宇宙には約2万個の物体が浮遊している考えられています。そして、1mmサイズのデブリも含めると、1億個を超えると推定されています。
【関連動画】
【関連記事】