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【オートバイのあれこれ】角形スタイルがキマってる!Z750FX

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は『角形スタイルがキマってる!Z750FX』をテーマにお話ししようと思います。

1973年(昭和48年)に登場した「ゼッツー」こと『750RS』。

▲900SUPER4(Z1)の国内仕様として登場した750RS
▲900SUPER4(Z1)の国内仕様として登場した750RS

ゼッツーはデビュー時から高い人気を得て当時のバイクシーンをリードしていたわけですが、二輪メーカーの成長が著しい70年代にあって、ライバル各社も精力的に高性能なオートバイを作っており、ゼッツーの優位性や人気ぶりもそう長くは続きません。

もちろん、カワサキも750RSのマイナーチェンジモデルとして『Z750FOUR』をリリースしていましたが、Z750FOURは750RSと比較してデザイン的な変化がほとんど無く、新鮮味という点ではいまひとつだったと言わざるを得ません。

▲750RSの後継モデル・Z750FOUR
▲750RSの後継モデル・Z750FOUR

Zの人気がジリジリと衰え始めるなか、カワサキは世間の関心を再度こちらへ向けさせるため、Zの大幅リニューアルを決意。

そうして79年(昭和54年)に誕生したのが、『Z750FX』でした。

▲直線基調のデザインを採用してデビュー。男っぽい硬派な佇まいだ
▲直線基調のデザインを採用してデビュー。男っぽい硬派な佇まいだ

画像を見て分かるとおり、最大のリニューアルポイントはそのスタイリング。

750RSの頃から続いてきた流線型デザインから、それとは真逆ともいえる直線的デザインへと改められました。

いわゆる「角Z」スタイルですね。

エンジン、フレームといった主要な部分はZ750FOURから受け継ぎ、スペック的にもさほど大きく進化していたわけではないZ750FXでしたが、やはりその大胆なイメチェンはインパクトが大きく、Z750FXはたちまち人気を博すこととなりました。

79年はZ750FXだけでなく、兄貴分の『Z1000Mk.Ⅱ』、弟分の『Z400FX』も同じスタイルでデビューしており、カワサキの“角Z元年”と表現してもいいかもしれませんね。

(厳密には、78年登場の『Z1-R』が初代角Zなのですが)

▲弟分のZ400FX。「中免ライダー」が多数派の当時、大人気を博した
▲弟分のZ400FX。「中免ライダー」が多数派の当時、大人気を博した

Z750FXはデビューするやいなや世間の注目を一挙に集めることに成功しますが、スポットライトを浴びる時間というのは長くありませんでした。

どういうことかと言うと、FXのデビューから約半年後に、ホンダから『CB750F』が現れたのです。

▲ホンダの市販モデルとしては初のDOHC4バルブを採用しデビューしたCB750F
▲ホンダの市販モデルとしては初のDOHC4バルブを採用しデビューしたCB750F


CB750Fはありとあらゆる部分が大きく進化していて、Zも含めた他メーカーのライバル車が全て“時代遅れ”に見えてしまうくらいの先進性を備えていました。

Z750FXの存在感は、このCB750Fの鮮烈デビューにかき消されてしまったというわけです。

このCB750Fの出現によりカワサキもZ750FXのブラッシュアップを余儀なくされ、翌80年には早くも仕様の大きく異なる『Z750FX-Ⅱ』へとモデルチェンジが行われたのでした。

画像引用元:カワサキモータースジャパン/本田技研工業

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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