大谷翔平はトミー・ジョン手術を受けずに復帰できるのか
6月8日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が故障者リストに入った。エンジェルスの広報によると、痛めたのは右肘の内側側副靱帯。前日にPRP(多血小板血漿)療法を受け、3週間後に経過を見て、その後について判断するという。
トミー・ジョン手術を受ける可能性もあるということだ。
一般的に、PRP療法は約2ヵ月で復帰できるが、トミー・ジョン手術は1年以上を要する。この点からすると、PRP療法の方が望ましいように思える。2014年7月にPRP療法を受けた田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズンが終わる前に復帰した。2015年3月にトミー・ジョン手術を受けたダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)は、そのシーズンを全休し、翌年5月に復帰した。この場合の復帰は、メジャーリーグでの登板を指す。
ただ、単純にどちらかを選べるわけではない。ざっくり言うと、PRP療法は「修理」、トミー・ジョン手術は「交換」だ。修理で済む場合でも交換は可能だが、交換が必要であれば修理では済まない。損傷の程度によって、選択肢は限定される。
昨年10月に大谷がPRP療法を受けた時、損傷は「グレード1」だった。それに対し、今回は「グレード2」だ。数字が増えるほど、損傷の程度は重くなる。
今シーズン、エンジェルスではすでに3人の投手、JC・ラミレス、キーナン・ミドルトン、ブレイク・ウッドが、トミー・ジョン手術を受けている。