【メタボとフレイル】中年期からの認知症予防のポイントを介護福祉士がイラストでわかりやすく解説
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みなさん、こんにちは!認知症の支援サポーター『夢 はるか』です。
今日は、認知症と生活習慣病との関係と、年代別の対策についてお話します。
糖尿病、高血圧、肥満(メタボリックシンドローム)、脳梗塞、脂質異常症(高コレステロール)などの生活習慣病が、認知症と深く関係していることがわかってきました。
『認知症は脳の病気』だと思われがちですが、実は体全体の健康とも関係しているのですね。
【ポイント1】中年期と高齢期で分けて考える
生活習慣病からくる認知症を考える場合、『中年期(45〜64歳)』と『高齢期(65歳以上)』で、対策を分けて考える必要があります。
『糖尿病』と『脳卒中』は、中年期と高齢期ともに認知症のリスクを高めます。
しかし、『高血圧』『肥満』『脂質異常症』は、中年期の認知症のリスクを高めることがわかっていますが、高齢期に関してはそのようなデータはありません。
このように、生活習慣病と認知症との関係は年代によって違いがあるため、年代に合った対策が必要になります。
【ポイント2】中年期は『メタボ対策』
『メタボ』とは、メタボリックシンドロームのことです。
内臓脂肪が過剰に蓄積する状態で、生活習慣病の前段階を示すものといわれています。
45〜64歳の中年期では、肥満の人ほど認知症になりやすいことが、多くの研究で明らかになっています。
そのため中年期には太らないこと、『メタボ』対策が認知症予防において最も重要となります。
【ポイント3】高齢期は『フレイル対策』
『フレイル(虚弱)』とは、身体の機能が衰え、さまざまな病気になりやすい状態のことをいいます。
『健康な状態』と『日常生活でサポートが必要な状態』の中間を示すものです。
フレイルになると、体の衰えによって活動意欲が低下し、それが認知症につながるものと考えられます。
また高齢期には、体重の低下が認知症発症の可能性を高めるという研究結果があります。
中年期の認知症対策は太らないことが重要なのに対し、高齢期はフレイルを防ぎ、痩せすぎや体重の減少に注意することが大切だと考えられます。
まとめ
中年期の認知症対策は『太らない』ことであり、高齢期では『痩せ過ぎない』ことであるという違いがわかりました。
しかしどの年代でも、栄養バランスの良い食事を摂ることや、運動習慣を日常生活に取り入れることは、有効な認知症対策だといえるでしょう。
認知症予防の鍵となる、生活習慣病、運動、食事・栄養、社会参加などについて、これからも、わかりやすいイラスト解説を続けていきたいと思います。
老後を、心身ともに健康で元気に過ごせるように、一緒に学んでいきましょう。
参考文献:『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 2022年