認知症に現れやすい【熱中症の危険3選】介護福祉士が漫画でわかりやすく解説
こんにちは。認知症の支援サポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。
子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、一人でも多くの人に認知症や介護のことを知っていただきたいと考えて、Yahoo!ニュースに記事を書いています。
年々進む、温暖化のせいでしょうか。
今年は去年より、さらに暑さを感じます。
老いも若きも『熱中症対策』は必須ですね。
認知症の人には、熱中症に関して気をつけなければならない、いくつかのポイントがあります。
いつものようにイラストを交えながら、順に解説していきます。
1.エアコンが使えない
認知症になると、機械の操作が難しくなりがちです。
どのボタンを押せばいいのか、どんな設定にすればよいのか・・・
そもそもリモコンが多すぎて、どれがどのリモコンなのか、分からなくなってしまいます。
そんなことをしているうちにエアコンの適切な温度設定ができず、熱中症になってしまう危険があります。
対策
リモコンにわかりやすく『エアコン』の目印を貼ると良いでしょう。
また、温度計に
『この温度より高くなったらエアコンをつける』
など、わかりやすい説明を書いた付箋をつけておくと効果的です。
2.衣服の調整が難しい
認知症になると、真夏に冬用のセーターを着て
「家族もびっくり!」
などということがあります。
これは『見当識障害』といって、時間や季節、場所、人などが分からなくなる症状の一つです。
クーラーの風が当たって
「寒い」
と感じると、
「今は冬だ」
と思って、厚手のセーターを着てしまうのです。
対策
衣類は、その季節に着るものだけを、手に取りやすい場所に置きましょう。
夏場は特に、熱がこもりにくい風通しの良い服を選びましょう。
エアコンの風が寒く感じるときに、さっと着られるように、薄手の羽織などを用意しておくといいですね。
3.水分摂取を忘れやすい
認知症になると、のどの渇きを感じないのに、脱水症状を起こすこともあります。
「ちょっと、のどが渇いたかな」
と思っても動くのが面倒で、そのまま寝転んでいるうちに熱中症になっていた、なんてことも起こります。
対策
すぐ手の届く場所に、水筒やペットボトルを置いておきましょう。
高齢者は、飲み物と食事を合わせて、一日約2,500mlの水分が必要だといわれています。
飲み物からは、毎日およそ1,000~1,500mlの水分を摂るよう心がけましょう。
糖分の摂りすぎなどに注意しながら、好みの味の飲料を用意することも、熱中症対策に役立ちます。
食事からも水分をたくさん摂れるように、汁ものメニューを多めにするとよいでしょう。
飲み込む力が低下した人は、水を飲むとむせることがあります。
そんなときは、あんかけなどでとろみをつけると、水分をとりやすくなります。
「自分は、まだまだ大丈夫!」
そんな自信のある人ほど、気づかないうちに脱水症状を起こすことが多いようです。
体内の水分量は、子ども70%、成人60%、高齢者50%といわれています。
歳を取るほど、水分の蓄えが少ないことを自覚して、こまめに水分補給をすることが必要です。