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タイトル保持者ながら史上最高勝率ペース! 藤井聡太三冠、今年度勝率は驚異の0.854!

松本博文将棋ライター

  2021年10月22日・23日。京都府京都市・総本山仁和寺において第34期竜王戦七番勝負第2局▲豊島将之竜王(31歳)-△藤井聡太三冠(19歳)戦がおこなわれ、挑戦者の藤井三冠が勝ちました。

 藤井三冠の今年度勝率は0.854(35勝6敗)となりました。

 現代将棋史上最高の年間勝率記録は1967年度に中原誠五段(現16世名人)が記録した0.855(47勝8敗)です。

 藤井三冠はあと1勝すると0.857(36勝6敗)。現在はまだ年度なかばで、あくまで暫定的ではありますが、もしそうなれば中原五段の勝率を抜くことになります。(勝率上位記録は対局数30局以上を対象として年度終了時点で確定します)

 タイトル保持者ともなれば対戦相手のほとんどはトップクラスとなるため、8割を超える高勝率をあげる例はまれです。ただし昨年度、藤井二冠(当時)は歴代4位の0.846(44勝8敗)を記録しています。

 また1995年度、羽生善治七冠(現九段)が0.836(46勝9敗)をマークしたという例もあります。

 史上最年少四冠、さらには五冠の可能性もある藤井三冠。もしこのまま勝ち進めば、勝率記録も大きな話題となりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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