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新体制元年、純烈の現在地【後編】 健康が気になる世代への恩返しと2年ぶりの座長公演に込めるもの

斉藤貴志芸能ライター/編集者
写真左から後上翔太、酒井一圭、、岩永洋昭、白川裕二郎(G-STAR.PRO提供)

今年からメンバーが1人入れ替わる形で、新体制となった純烈インタビューの後編。「ファンへの恩返し」という高麗人参を使ったゼリーのプロデュースや、昨日から開幕した明治座での2年ぶりの座長公演の話を中心に聞いた。

インタビュー前編はこちら

お風呂グッズのプロデュースから方向転換

――純烈で“元気パワーの源”を謳った発酵紅参ゼリー「純美健烈」をプロデュースされました。どんな経緯だったんですか?

酒井一圭 3年くらい前に商品開発に声を掛けていただきました。健康センターを回っていた時代から、目の前に自分たちの父や母の世代のお客さんがいて、紅白まで押し上げてもらって。その恩を返せるものはないか、ずっと考えていたんです。やっぱり皆さん、年を取っていくと、健康が一番の関心になりますよね。あと、僕らはライブの後に撮影会をやるので、お化粧やファッションと美の部分は、女性ならではで気にされている方も多くて。では、何を作るか。最初はお風呂グッズがテーマだったんです。

――純烈プロデュースなら、そういう話になりますよね。

酒井 いろいろ試行錯誤していた中で、高麗人参の話が出て「それ、ええんちゃう?」と盛り上がって。韓国の高麗人参が栽培されている畑に行かせてもらって、成分を研究している博士たちにもお会いして、味からパッケージまで言いたい放題で、注文を付けさせてもらいました。お客さんに元気でいてもらって、純烈を応援し続けてもらうために、本気で良いものを作りたかったんです。

――資料に「ファンから高麗人参エキスをプレゼントされる」とあります。

酒井 山口や広島に行くと、たぶん韓国籍のおばちゃんが「紅白おめでとう」と、でっかい瓶に詰めた高麗人参をくれました。韓国で売っている、こういうようなゼリーを買ってきてくれたり。そのときは「うわっ、苦っ!」という感じでしたけど、確かに体がポカポカしたりして。それで「あれを食べやすくできれば」となったんです。おばちゃんからしたら、純烈が旅してライブを1日2回やったりするので、「健康のために食べてみて」という想いだったんでしょうけど、良いプレゼントをもらった気がします。

フランクミュラーの時計をプレゼントされたのに

――それに限らず、ファンからのプレゼントはよくもらうんですか?

酒井 めっちゃもらいます。

白川裕二郎 僕は釣りが大好きで、ボートのエンジンをもらったことがあります。ボートはなくて、エンジンだけ(笑)。本物のエンジンですけど、それだけでは釣りはできないので、ボートは自分で買おうと(笑)。あと、ご年配のおじいちゃんが、メンバーそれぞれにフランクミュラーの時計をくれました。

――すごい!

白川 その時計を、リーダーはなくしてしまったそうです。

酒井 1ヵ月に一度くらい着けていて、どこに行ったのか。子どもに「売ってへんやろな?」と聞いても「売ってない」と言われて、心当たりは全部見たんですけど、今はでっかい箱だけあります(笑)。そのおじいちゃんは発明家で、エルメスのどでかい財布もくれたんですけど、それもなくなりました。リュックの中へ入れていたら、リュックが丸ごとなくなって。

――どうしてリュックが丸ごとなくなるんですか?

酒井 わかりません(笑)。鍵や免許証も入っていて、最近ずっと再発行に追われています。

酒井一圭(さかい・かずよし) 1975年6月20日生まれ、大阪府出身
酒井一圭(さかい・かずよし) 1975年6月20日生まれ、大阪府出身

仕送りのような贈り物に親目線なんだなと

後上翔太 コロナ禍の頃、事務所にプレゼントが届くようになって、僕だけ独身だからか、水とかサランラップとかレトルトのカレーとか、仕送りセットのようになっていました(笑)。「足りなかったら、また言ってください」という手紙が入っていて、「母か?」みたいな(笑)。そういう親目線の方もいるんだなと思いました。サランラップはめちゃくちゃ大量にあって、いまだに使い切れていません(笑)。

酒井 この前、面白かったのは、レトルトのハンバーグカレーが大量に送られてきて、パッケージを見たら、サッカー日本代表の専属シェフの西(芳照)さんの商品だったんです。手紙を読むと西さんの奥さんからで、「旦那がこういう者で」ということでした。女子ワールドカップの開催中で、SNSで“純烈”を検索したら、なでしこジャパンに帯同していた西さんが食事を作るとき、BGMに純烈の曲をガンガン流してくれていたんです。それで、僕も「ありがとうございます!」とメッセージを出しました。

――なでしこジャパンのベスト8入りに、純烈の力もちょっと入ってましたかね(笑)。

岩永洋昭 それはないですけど(笑)。

酒井 本当にいろいろなものをいただきます。野菜とか魚も。

岩永 パンツもあったんだよね?

後上 メンバーの顔写真がプリントされた、オリジナルの手作りパンツ(笑)。

酒井 去年の紅白はそれを履いて出てました(笑)。

後上翔太(ごがみ・しょうた) 1986年10月23日生まれ、東京都出身
後上翔太(ごがみ・しょうた) 1986年10月23日生まれ、東京都出身

昼間に運動して夕方から酒を飲んで

――話が戻りますが、皆さんが健康のためにしていることはありますか?

酒井 めっちゃ寝ます。どんなに忙しくても7時間は睡眠を取ります。寝るか純烈しかやっていません(笑)。

後上 今の時期だと、水分と塩分の補給は意識しています。暑くてフラッとしたら立て直すのに時間がかかるので、その前にノドが乾いたら水を飲む。基本、お腹はいつもタポタポ状態です(笑)。

――白川さん、岩永さんは体をだいぶ鍛えてらっしゃるようで。

岩永 僕はやっぱり運動です。昼間に坂道ダッシュとかして、夕方からはプシュッとお酒を飲みます(笑)。

白川 飲みすぎなんですよ(笑)。

岩永 今日も自転車で30分ぐらいかけて来て、汗ビチョビチョになりました。その分、お酒がおいしくなります(笑)。

白川 僕はお風呂にゆっくり入ります。あとは、猫ちゃんと遊んで心を安らげるのが、僕の健康法です。

岩永洋昭(いわなが・ひろあき) 1979年11月23日生まれ、長崎県出身
岩永洋昭(いわなが・ひろあき) 1979年11月23日生まれ、長崎県出身

お芝居でも「楽しかった」と帰ってもらえるように

――2年ぶりの明治座公演が始まります。前回の公演から、いい感じだったんですか?

酒井 初めてで、おっかなビックリでしたけど、ギャップが利いていたんですかね。「健康センターの人たちが明治座?」という(笑)。格式の高い会場に、お客さんが絨毯の上を歩いて入ってきて。お芝居を観て、お昼ごはんを食べて、二部は歌謡ショーというぜいたくさ。僕たちがあの舞台に立っただけで、ファンの人たちはしみじみして、最初は泣いている感じでした。喜んでもらえたと思える公演になりました。

――後上さんはもともと大学を中退して純烈に入って、演技には興味があったんですか?

後上 スタートは純烈の仕事としてやらせていただきましたけど、明治座公演に関しては、目の前にお客さんがいてくれるのはライブと同じ。歌とお芝居は違うにせよ、「喜んでくれているな」「感情がグッと入っているな」というリアクションを生で間近に見られました。「演技とは?」と言われると、正直わからないこともあります。だけど、あまり深く考えず、お客さんたちが「ああ、楽しかった」と帰れるように努めて、割り切るようになりました。

もう役者という意識はありません(笑)

――今回も1部は芝居の『ハリウッドスターになりたくない!』。特撮ヒーローもので活躍されていた3人は、ベースは役者という自負もありますか?

酒井 まあ、そうですね。見ての通り役者です。

白川 何でそんなに偉そうなの(笑)? いやもう、役者という意識はないです。

酒井 これだけ純烈をやっていると、台詞を覚えるのはめっちゃおっくうで。「コンサートだけでええやん」と思ったりもします(笑)。

白川 今回の台本をいただいて、最初ちょっと見て、すぐパタンと閉じました(笑)。

――晴れの座長公演なのに(笑)。

白川 一番大変なのは後上です。ストーリーテラーみたいな役で、台詞が多くて。

後上 きっかけ台詞があったり。

白川 僕たちはちょろちょろ出て、ひと言ふた言しゃべって、また引っ込みます。

白川裕二郎(しらかわ・ゆうじろう) 1976年12月11日生まれ、神奈川県出身
白川裕二郎(しらかわ・ゆうじろう) 1976年12月11日生まれ、神奈川県出身

蓋を開けたらどんな役になっているのか

――白川さんは劇中でロマンスがあるんですよね?

白川 横山由依さん、小川菜摘さんの役といい感じの仲になるようで、大変なことにならなければいいなと(笑)。

――酒井さんは悪いギャングの役ということで。

酒井 そういう体でポスターは撮りました。でも、前回もポスターを撮ってから、稽古でどんどん膨らんで、蓋を開けたら面白いかつらをかぶった三枚目になっていたんですね。だから、今回もわかりませんよ。

白川 演出の村上(大樹)さんがいろいろな飛び道具を持っていて。いい意味で裏切ってくるんですよね。

――では、酒井さんもギャングの役作りとか、特にしてなくて?

酒井 そんなの、やりません(笑)。前回は1920年代のニューヨークが舞台と聞いて、いちおう“1920年 ニューヨーク”と検索して写真は見ましたけど、「やっぱ、わからんわ」となったので(笑)。今回はもうそんなことはせず、何となく“アメリカ”みたいなイメージだけです。

白川 岩永は筋肉バカの役だそうです。どう考えても当て書き(笑)。

岩永 冒頭から脱がされるのかな(笑)。

酒井 じゃあ、全員でパカッと脱ぐ(笑)?

後上 対抗し出して(笑)。

酒井 ……とか言っていると、本当に採用されたりもするんですよね。

岩永 冗談のつもりだったことが(笑)。

6年連続の紅白出場が最大の目標です

――何にせよ、純烈は相変わらず走り続けていますね。

酒井 はい、そうです、今年も紅白出場を最大の目標にしていて。6年連続になりますけど、岩永は初。それを成し遂げられるように、全国を回っているところです。

――個々の活動も含め、他にも取り組みたいことはありますか?

岩永 僕は長崎の波佐見町という人口2万くらいの小さい町の出身ですけど、そこでコンサートか何かできたら嬉しいなと思います。凱旋ライブ、みたいな。

白川 じゃあ、僕も横浜の綱島でやりたい。ゆくゆくは海外に行きたい、というのもあります。海外というのはインドネシアで、少しずつインドネシア語を勉強しています。

――なぜインドネシアなんですか?

白川 時間がゆっくりしていて、向こうの気候もすごく好きで、仲間もたくさんいるので。旅行では何回も行って、将来的には移住したいと考えています。

酒井 純烈としても、また新しいことがありますけど、まだ言えないんです。半年後にまた、インタビューをお願いします!

明治座創業150周年記念『明治座9月純烈公演』

9月8日~10月1日

第一部『ハリウッドスターになりたくない!』

1930年代、ニューヨークの酒場。売れない役者のデビー(岩永)、パット(後上)の兄弟とセールスマンのトニー(白川)は偶然、ジャック(酒井)というギャングの悪事を知る。ジャックは3人を始末しようと銃撃し、逃走劇の末にロサンゼルスへ。3人は身を隠すためにハリウッド映画のエキストラに紛れ込んだが……。

第二部 純烈コンサート2023『スーパースター』

公式HP

明治座提供
明治座提供

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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