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子育て中の親が忘れていること

親野智可等教育評論家
(写真:アフロ)

子育て中の親御さんに、ぜひやってほしいことがあります。それは、子どもの寝顔を見て親としての初心に返ってみるということです。

中学生の男子といえども寝顔はまるで子どもです。ひげが生えていても寝てるときの顔はあどけないです。

忙しさに追われ、子どものかわいい寝顔を見る時間も取れないという人が多いと思います。いつの間にか、親を困らせる顔ばかりがその子の顔だと思えてきたりしているかもしれませんね。

本当は寝顔こそがその子の本来の顔です。親を困らせる顔は、その子の本来の顔ではありません。

子どもが起きているときそういう顔になってしまうのは、親が子どものありのままを受け入れずに、自分の価値観や都合を押しつけているせいなのかもしれません。

ぜひ、寝顔を見ながら子どもがもっと小さかったころのことを思い出してみましょう。そのころは、今よりもっとありのままのわが子を受け入れていたはずです。

「元気に育ってくれればいい」くらいの感じで、そんなに多くは望んでいなかったと思います。それが今ではどうでしょう?

子どもに求めるものが増えてしまった結果…

「勉強ができる子になってほしい」「運動も」「片づけも」「挨拶も」「生活習慣も」など、子どもに求めることが際限なく増えてしまっていないでしょうか?

その結果、親も子も苦しい状態になっているということはありませんか?もう一度初心に戻って、しょうもないところも含めて子どもを全面的に受け入れましょう。

そうすると、当たり前のことがとても大切で愛おしいことだと気づくかもしれません。そもそも、その子がいてくれるだけでもありがたいのではないでしょうか?

子どもはみんなその子なりに一生懸命やっています。サボっている子など一人もいません。まだ生まれてそんなに年月も経っていません。大人が思うようにしっかりできるはずがありません。

短所やしょうもないところなど、目につくところもたくさんあるでしょう。でも、それらは生まれつきの資質によるところが大きいので、子どものうちに直すのは難しいのです。

大人になればそれなりになんとかなる

子どもは自分の生活とか仕事とか将来などを真剣に考えたりしないので、「絶対に直さないとまずい」と感じることもありません。

大人になれば、それなりになんとかなるから大丈夫です。短所には目を瞑り長所を伸ばしましょう。肯定的で共感的な言葉に徹しましょう。子どもを一人の人間としてリスペクトしましょう。

このようにしていれば、子どもは親の愛情を実感できますし、親子関係もよくなります。親子関係がよくなると、親子ともども自己肯定感が高まります。

今はだらしがなかったりして手がかかる状態でも、自己肯定感があれば自分のペースで着実に向上し続け、やがてしっかり自立します。

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教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。Instagram、Threads、Twitter、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」などで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、オンライン講演、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガ、講演のお問い合わせなどについては「親力」で検索してHPから。

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