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銃撃犯は事件の数時間前に50発の銃弾を購入。爆発物でほかに注意を引く実行計画だった可能性も

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
ペンシルベニア州ベセルパークにある容疑者の自宅。(写真:ロイター/アフロ)

トランプ氏を銃撃した20歳のトーマス・マシュー・クルックス(Thomas Matthew Crooks)容疑者が、発砲の数時間前に地元の銃砲店で銃弾50発を購入していたとCNNは報じた。

クルックス容疑者がトランプ氏を銃撃した際に使用したライフルは父親が登録、合法的に所持していたものだったことがFBIの捜査によりわかっている。

クルックス容疑者の父親が登録、合法的に購入した銃は20丁以上になるという。

容疑者の自宅(写真中央)。アメリカの住宅の庭はこのように広いのが一般的。その中でも容疑者家族は比較的、小さめの簡素な家に住んでいたようだ。
容疑者の自宅(写真中央)。アメリカの住宅の庭はこのように広いのが一般的。その中でも容疑者家族は比較的、小さめの簡素な家に住んでいたようだ。写真:ロイター/アフロ

事件後、クルックス容疑者を調べたところ、遺体からは送信機が、また事件現場となった会場「バトラー・ファーム・ショー」に駐車していた容疑者の車のトランクからは爆発物と思われるものが入った金属製ボックスと配線で繋がった受信機(レシーバー)が見つかったという。

容疑者は護衛チームの注意を自らの位置(発砲した建物の屋根)から逸らすために、車内の爆発物を爆発させるつもりだった可能性があるとして、当局は慎重に捜査を進めている。

容疑者は低層の建物の屋根に登る際、そして登った後に周囲の人々に見つかっており、その中には護衛チームに報告した人もいたが、その「脅威」に対するシークレットサービスの起動は遅かった。目撃者の報告を受けた地元警察が動き出したことで、容疑者は計画を早め、注意を逸らす目的で使用するつもりだった爆発装置を使えなかった可能性がある。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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