Yahoo!ニュース

70s/80s洋楽ポップス・ファン感涙。スーパーグループ、ジ・エンプティ・ハーツが来日

山崎智之音楽ライター
The Empty Hearts pic by Robert Matheu

ザ・ロマンティックス、カーズ、ブロンディー…1970年代後半から1980年代初めにかけての洋楽ファンだったら、名前を見るだけで口がほころんでくるバンドたちだ。彼らのロックには、思わず口ずさんでしまうメロディがあり、今もなお色褪せない魅力を放っている。

そして、ジ・エンプティ・ハーツのアルバム『ジ・エンプティ・ハーツ』を聴いたら、我々はとびっきりのスマイルを浮かべずにいられないだろう。ロック界のベテラン・ミュージシャン達が集結したスーパーグループは、ツボを知り尽くしたサウンドで魅了してくれる。

ザ・ロマンティックスのウォーリー・パルマー(ギター/ヴォーカル)、カーズのエリオット・イーストン(ギター)、ブロンディーのクレム・バーク(ドラムス)、チェスターフィールド・キングスのアンディ・バビアック(ベース)からなるジ・エンプティ・ハーツ。彼らのデビュー作となるアルバム『ジ・エンプティ・ハーツ』は1曲目「90マイルズ・アン・アワー・ダウン・ア・デッド・エンド・ストリート」から一度聴いたら歌わずにいられないヴォーカル・ハーモニーとエッジの効いたギターが全開だ。

画像

続く「アイ・ドント・ウォント・ユア・ラヴ(イフ・ユー・ドント・ウォント・ミー)」など、近年でいうところのパワー・ポップがそう呼ばれる以前からパワフルなポップを書いて演奏してきた彼らならではの、味わい深い楽曲のオンパレードだ。これまで世界中のアリーナやスタジアムに立ってきた強者たちがガレージで演奏しているような、懐かしくも新しいロックが繰り広げられる。

彼らをサポートする顔ぶれも実力派揃いだ。アルバムでオルガンを弾いているのは、元スモール・フェイセズ〜フェイセズのイアン・マクレガン(彼は結成時のメンバーでもあった)。そしてプロデューサーは、ラモーンズやトーキング・ヘッズ、モーターヘッドなどを手がけてきたエド・ステイシアムである。

アルバム『ジ・エンプティ・ハーツ』は2014年8月に発売され、アメリカ・日本で好評を得ているが、さまざまな場数を踏んできた彼らの音楽が最大の魅力を発揮するのが、ライヴ・パフォーマンスだろう。それぞれ“本業”でも多忙な彼らだが、いよいよ10月から本格的にツアー活動を開始。アメリカ東部からスタートして、早くも日本公演が行われることになった。

インターネットで伝わってくるライヴの評判は上々で、アルバムの曲はもちろん、各メンバーが所属するバンドのヒット曲も披露されるという。ただ、どのバンドのどの曲をプレイするかは当日のサプライズとのことだが、あの曲を演奏するのでは?あの曲は?…と想像を巡らすだけで楽しくなってくる。

今回の来日は、ビルボードライブ東京での2日間×確実2公演の、合計4回のみのプレミアム・ショー。これから彼らがブレイクした場合、クラブ規模でのライヴを至近距離から見ることが出来るのはこれが最後かも知れない。

バンド自身もファースト・ワールド・ツアーの序盤戦を“フロム・ニューヨーク・トゥ・トーキョー”と名付けるなど、気合いが入りまくった来日公演は、ステージの上と観客席の両方がスマイルでいっぱいのライヴとなる。

【The Empty Hearts来日公演】

ビルボードライブ東京

●10/22(水)

1stステージ開場17:30 開演19:00

2ndステージ開場20:45 開演21:30

●10/23(木)

1stステージ開場17:30 開演19:00

2ndステージ開場20:45 開演21:30

リンク

音楽ライター

1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,300以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検1級、TOEIC945点取得。

山崎智之の最近の記事