毎年予約必須の限定品「栗蒸し羊羹」和菓子一筋74年のご主人の手仕事光る、ほっこり滋味深い人気の味
なにかひとつは、手に職をつけた方が良いという声もちらほら。趣味が高じていつの間にか本職に、なんて方もいらっしゃいますね。
けれどもその仕事しか、生きていくためには選べなかった、もとい、選択肢など存在しなかった時代も過去にはあったことでしょう。現在もそうかもしれませんが。
東京都中央区、人形町。石を投げれば老舗にあたる、といわれるほど創業100年を超えるお店が集積し、国内外問わず人気店は毎日予約でいっぱい。更に和菓子屋さんも数多く点在するエリアとなっており、その中の人気店のひとつが「東海」さん。
なんと、現在91歳のご主人が全て一人で切り盛りするお店なんです!
東海さんの創業は昭和28年。店主である田所さんが生まれた頃(1930年代)から人形町にてお父様が和菓子店を営んでいたそうですが、戦争と共に家族で静岡県の修善寺に疎開。田所さんも16歳から和菓子作りを手伝っていたのだとか…!そして終戦後再び人形町へ戻ってきたとのこと。
東海さんにはワッフルや羽二重餅、上用饅頭、そしてどら焼きなど毎日でも食べたくなるような美味し和菓子が勢ぞろい、朝生菓子は夕方にはほぼ売り切れてしまうほど大人気!その中でも、毎年店頭予約必須の名物「栗蒸しようかん」をご紹介。
こちらはカットでのご用意ですが、棹での販売もございます。
ずっしりと、堂々とした佇まいの中にもほっこりとした温もりが滲むような栗蒸し羊羹。固い栗の鬼皮からなにからすべて手作業で処理し、蜜に潜らせます。
栗のシロップ漬けはあっさりとしたやや浅めの浸かり具合。表面に錦玉を流すことと、むし羊羹の甘味を考えてあえてほくほくとした味わいを残しているのだとか。栗のふっくらとした香ばしさの後、むちっとした蒸し羊羹の塩気、さらに甘味がじわりじわりと広がりいっぱいに。冷たいのにあったかい、滋味深い味わいです。
近年新しいお店が続々とオープンしはじめている日本橋界隈。けれども東海さんだけなぜか時間が止まっているような不思議な感覚にを覚えるのです。きっとそれは、いつの時代も変わらず真摯に実直に、あんこを炊き、どら焼きの皮を焼き、お餅であんこを包み…そういった欠かせない手仕事をこなしてきているからこそ、お店と田所さんが一体化しているような空気を醸し出しているからなのでしょうね。
※東海さんはご主人の田所さんが全ておひとりで切り盛りしています。電話でのお問い合わせはお控えいただき、ご予約やお取り置きはぜひ店頭にて!
ご来店の際は時間にゆとりをもってお伺いしましょう♪
<御菓子司 東海>
東京都中央区日本橋人形町1-16-12
03-3666-7063
火~土 8時30分~18時45分
(全て出揃うのは10時頃)
定休日 日・月