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ヤンキースのアレックス・ロドリゲスは、チームの公式ツイッターからも無視されるほどの嫌われ者!?

宇根夏樹ベースボール・ライター

ニューヨーク・ヤンキースのオフィシャル・ツイッターが、3月11日に行われたボストン・レッドソックスとのエキシビション・ゲーム(オープン戦)について、以下のようにツイートした。

「リキャップ(要約):ジャコビー・エルズベリーカルロス・ベルトランがレッドソックス戦で打点を記録」(原文は英語)

これが話題になった。

ツイートの内容自体は間違っていない。ヤンキースが6対10で敗れた試合で、エルズベリーとベルトランは3回裏にタイムリーヒットを放った。

だが、ヤンキースで打点を挙げたのは2人だけではなかった。4回裏にはアレックス・ロドリゲス、9回裏にはスレイド・ヒースコットが本塁打を打った。

ツイッターの文字数には制限がある。しかし、である。エキシビション・ゲームとはいえ、ロドリゲスの本塁打は2013年9月以来、約1年半ぶりのことだ(昨シーズンは薬物使用による出場停止で全休した)。また、試合中にヒースコットの本塁打を記述したツイートはあったが、ロドリゲスに関してはなかった。

すっかりヒール(悪役)のイメージが定着しているロドリゲスを無視したのか。

ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙のマーク・フェインサンドが書いた記事によれば、オフィシャル・ツイッターはヤンキースではなくMLBアドバンスド・メディアが運営しているという。他にも数球団がそうしているらしい。

ヤンキースの広報はフェインサンドに「まったくもって意図せぬ失敗」と言うとともに「アレックスの扱いはヤンキースの他の選手と変わらない」と主張しており、MLB機構も同様の見解ながら、勘繰りたくもなる。

ロドリゲスは今シーズン、次々とマイルストーンに到達するはずだ。史上29人目の3000安打までは61本、4人目の2000打点までは31点。700本塁打までは46本あるので可能性は薄いものの、7本塁打を放って4位のウィリー・メイズを上回るのはまず間違いない。他にも、偉大な選手の記録をいくつも抜いていくだろう。

ヤンキースのオフィシャル・ツイッターは、こういったマイルストーンをどう報じるのか。さすがに無視はできまい。今シーズンの密かな楽しみが増えた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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