プロ野球セ・リーグで阪神タイガースが18年ぶりの優勝で盛り上がる一方、最下位に沈み続ける中日ドラゴンズ。借金は28（9月16日現在）、得点力不足は解消の気配が見えず、ファンから“暗黒時代”との怨嗟も上がっている。そんな中、中日ファンの芸能人たちはSNSなどで、どんな発信をしているだろうか。

立川志らくは「試合を捨てるなら応援しない」と苦言

　WBCで日本代表が優勝した際、強化試合で中日が勝ったことに触れ、「世界一強い侍ジャパンに唯一黒星をつけたのはドラゴンズってこと」と投稿していたのは、落語家の立川志らく。

　東京出身ながら、子どもの頃に神宮球場でヤクルト戦を父親と観た際、中日のブルーのユニフォームがカッコ良くてファンになったという。現在60歳で応援歴は長い。

　5月には「ドラゴンズ、夏までには必ず爆発する。それまで我慢」とツイートしていたが、期待通りにならないまま、最近はThreadsで率直に言及している。

　8月7日には「ドラゴンズが弱すぎてイライラを通り越して無の境地に」と書き出し、「立浪はなぜ自分が出来た事が出来ないんだと選手に期待をしてチャンスを沢山与えている」との見解を示した。

　「石川を4番にしたのならずっと4番で使い続けるべき」「高橋周平をどうしたいのか？　ドラゴンズの顔に育ててくれる事を願っていたのに」などとも。

　また、8月25日のDeNA戦に2対18で大敗し、9回に近藤投手が10失点しながら交代させなかった際には「私は立浪監督が好きだ。好きだから言わせていただく」と苦言を呈している。

「立浪監督は試合後こう言った。明日の勝ちパターンを壊したくなかったから近藤には気の毒な事をした。と言うことはこのゲームを捨てた事になる」

「でも今の中日には捨て試合はない。最下位が決定していても明日に向かって戦っているからファンは応援する。何点離されていたって失点を最小にして次の回に一点でももぎ取ろうと監督がすれば選手はついてくる」

「試合を一つ捨てただけではない。近藤も捨ててしまったのだ」

　なかなか辛辣だが、最下位だからこそ「監督が試合を捨てたなら私も応援をしないよ。残りの試合、全部勝ちに行って下さい！」とは共感を呼ぶ言葉だろう。

井戸田潤は「借金ばかりに目を向けても仕方ない」

　そのDeNA戦で始球式を務めたのが、スピードワゴンの井戸田潤。愛知出身で子どもの頃から生粋のドラゴンズファン。愛知のケーブルテレビ局の球団応援番組『ドラナビ』のMCを務め、2軍の本拠地であるナゴヤ球場の外野フェンスに、持ちキャラの「ハンバーグ師匠」の広告を自腹で出してもいる。

　Xでの自身の記述は中日関連に限らず少ないが、『ドラナビ』や球団公式の投稿を積極的にリポスト。ソフトバンクに移籍した又吉投手が故・木下雄介投手を「あっという間に2年」と偲んだ投稿も取り上げていた。

　始球式後には、「借金ばかりに目を向けても仕方がない。若手の育成やチームのまとまりを今シーズンのうちに少しでも得て、それを来年への貯金とする。そういう前向きな気持ちでファンは見てると思うんですよ」と語っていた。

　岡林、龍空、石川昂選手の名前を挙げ「立浪野球の育成方法が近い未来に必ず実を結ぶと思っています」と、ファンの支持を下げている立浪監督に好意的な発言もしている。（「東スポWEB」より）

May’nは敗戦に「ファンとして何ができるか考える」と

　名古屋出身のアニソンシンガーMay’nはドラゴンズ愛に溢れた発信が多い。自身の音楽活動の中でも、テレビ愛知の中日戦中継のテーマソングに起用された『蒼の鼓動』に、「All for Victory」「Hard Play Hard」など球団の新旧のスローガンが散りばめられていた。

　今年4月6日にはバンテリンドームにて、本拠地開幕シリーズのヤクルト戦の3試合目の前に、ユニフォーム姿でミニライブを行っている。

　仕事で多忙な合間を縫って、観戦にもちょくちょく行っているようで、Xで球場からの写真を付けて上げることも。

　こちらで掲げている細川選手のタオルは、別の投稿によると、シングルのキャンペーンで訪れた名古屋駅で「やっと買えた」とのこと。

　神宮球場で観戦して0対1で敗れた8月20日には、「ドラゴンズファンとして何ができるかなってこんな時いつも考えます。でも、歌手としての18年間で確信しているのはファンの力です。ファンとしては私1人の青色なんて・私1人の声なんてって思います。でもその1人×∞で特別な力が届きます。だから私はポジティブに現地でパワーを送り続けます」と投稿。「ファンの鑑です」とのコメントもあった。

移籍バッテリーも追い掛けて北海道まで

　山本投手と郡司選手の日本ハムへのトレードが発表された6月30日には「ドラゴンズを好きになればなるほどつらいこともたくさん増えてしまった」と投稿。さらにブログで想いを綴っていた。

「わたしは山本拓実投手をみて、さらにドラゴンズ沼にどっぷりになったんです。努力を重ねる貪欲な姿、努力で纏う気迫と熱情にたくさんパワーをもらいました」

　そして、「ドラゴンズじゃなくなっても応援しつづけますっ」としていたが、7月9日にこの移籍バッテリーが先発と聞いて、急きょ北海道のエスコンフィールドまで駆けつけている。

　ブログでは1週間前に発表したビッグボス（新庄監督）に感謝しつつ、「行かない理由なんて見当たらない」と書いていた。さらに「プレッシャーや緊張と戦いながら今日まで高めあったであろうやまぐんバッテリーを思ったら泣けましたし、2イニング完璧すぎて震えました」と中日を離れた選手にまで本当に熱い。最後は「野球ってさいこう！！！」と締めていた。

　最近でも9月13日に横浜スタジアムでのDeNA戦に当日券で駆け付け、「ビシエド選手の勝ち越しタイムリーに泣いてしまった」と書いたりしている。

日高優月（SKE48）はDAZN観戦中の投稿も

　名古屋を拠点にするSKE48のメンバーで10月で卒業する日高優月は、Xのプロフィールに真っ先に“中日ドラゴンズファン”と記している熱烈なファン。9月6日にはバンテリンドームでの阪神戦で、4回目となる始球式に登板している。

　8月26日にはCBCラジオのDeNA戦中継にゲスト出演。中日は8連敗を喫したものの、大島選手の2000本安打達成に放送席で絶叫。「本当におめでとうございます！明日からも変わらず応援します」と投稿していた。

　CBCラジオの『若狭敬一のスポ音』の企画では、中日の低迷脱出を祈願して滝行に挑んでいる。声は出なかったそうだが、心の中で「ドラゴンズとファンの皆さんの笑顔がひとつでも多く見られますように」と叫んでいたという。

　XでもSKE48での活動に織り交ぜて、中日のことに頻繁に触れている。観戦に行くと写真を付けて上げる他、木下選手が骨折から復帰した試合前には「おかえりさい」、細川選手の誕生日と松葉投手の初勝利に「おめでとうございます！」とも。

　DAZNにも加入していて、石川昂選手のホームランや宇佐見選手の移籍後の初安打などにも反応してポスト。また、彼女も日本ハムに移籍した郡司選手の応援も続けていて、SKE48のツアーで札幌を訪れた翌日に、エスコンフィールドに足を運んだという。

　優勝チームが決まって、祝福コメントを出す芸能人が“にわか”呼ばわりされることもある。しかし、この暗黒時代の中日ドラゴンズを応援し続けている彼ら、彼女たちは正真正銘のファン。いつかまた黄金時代を迎えた際には、想いの丈をとことんぶち上げてほしいと思う。