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昨夏に続いて今夏も、ドジャースは同じ選手をトレードで手に入れる。移籍後の道筋も昨年と同じ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーメッド・ロザリオ Aug 12, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月29日、ロサンゼルス・ドジャースは、マイナーリーガーの投手と交換に、タンパベイ・レイズからアーメッド・ロザリオを獲得した。

 昨年の夏も、ドジャースは、ロザリオをトレードで手に入れている。この時は、ノア・シンダーガードと金銭をクリーブランド・ガーディアンズへ放出した。

 ロザリオは、28歳の野手だ。昨オフに続き、今オフもFAとなる。

 内外野を守る点は、この夏、ドジャースがロザリオの前に入手した、トミー・エドマンと共通する。エドマンが動いたトレードについては、こちらで書いた。

「ドジャースが三角トレードで得たのは、100マイル超のリリーフ投手とここまで全休の野手に17歳の投手」

 昨シーズンも、ドジャースが夏に加えた野手は、ロザリオだけではなかった。ボストン・レッドソックスからキーケー・ヘルナンデスを獲得し、シアトル・マリナーズに解雇された直後のコルテン・ウォンを迎え入れた。キーケーは、2015~20年にドジャースでプレーしていた。昨オフに再契約を交わし、現在もドジャースにいる。

 ドジャースへ移籍後、ロザリオは、二塁と遊撃を守り、打率.256(125打数32安打)と出塁率.301、3本塁打と6盗塁を記録した。キーケーは、内野4ポジションと外野3ポジション――バッテリー以外の全ポジション――の守備につき、打率.262(168打数44安打)と出塁率.308、5本塁打と1盗塁。ウォンは、二塁を守り、打率.300(30打数9安打)と出塁率.353、2本塁打と2盗塁だった。もともと、ウォンは、ユーティリティではない。

 ドジャースは、ナ・リーグで2番目に多い100勝を挙げ、地区連覇を飾り、ポストシーズン進出を11年連続とした。迎えたディビジョン・シリーズのロースターに、キーケーとウォンは入ったが、ロザリオの名前はなかった。

 今年も、ロザリオは、ここからレギュラーシーズンが終わるまでの「レンタル」となるかもしれない。キーケー、エドマン、クリス・テイラーキャバン・ビジオ、ロザリオの5人は、いずれも内外野を守る。彼らに遊撃手のニック・アーメドを含めた6人が、揃ってポストシーズンのロースターに入るとは思えない。野手と投手が13人ずつの場合、野手は、レギュラーの内野手4人と外野手3人、DHの大谷翔平と捕手2人に、控えが3人だ。

 ちなみに、昨年のディビジョン・シリーズ3試合で、キーケーは、8打数3安打を記録し、ドジャースではウィル・スミスと並んで最多の2打点を挙げた。ウォンは、3打数0安打、0打点。ドジャースは、アリゾナ・ダイヤモンドバックダイヤモンドバックスにスウィープされた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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