心理カウンセラーから「死にたい」と考えている人に贈る、自殺の真実とは【セルフ・コンパッション】
みなさんこんにちは。仕事に役立つ心理学の赤田太郎です。
普段は大学教員として心理学の教育や研究を行い、また学校や企業でのカウンセリングなどの実践から、You Tubeやインスタでこころの健康の大切さを配信しています。
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今あなたが置かれている状況は?
これまでの人生で失敗したことに対して、あるいは自分のできなかったことに対して、厳しい目を向けていないでしょうか。これを自己批判といいます。
また、否定的な感情で心の中が一杯になっていて、その感情で圧倒されてないですか?これを過剰同一化といいます。
自分はこんなに苦しんでいるのに、周りの人はそんな苦労していない。自分だけが一人ぼっちだと思っていませんか。これを孤独感と呼んでいます。
これらに当てはまっている人は、セルフ・コンパッションと呼ばれる自分への思いやりを忘れている状態に当てはまっています。
失ってはいません、ただ忘れているだけです。
それでは、次に「自分を思いやること」について考えてみましょう。
セルフ・コンパッションとは
困った人を見たときに助けてあげたい、苦しみを取り除いてあげたい、慰めてあげたいと思う気持ちをコンパッションといいます。このとき、何かの見返りや条件はなく、清らかな無償の愛だけがそこにある状態です(有光,2023)。それを自分に向けると、セルフ・コンパッションとなります。
セルフ・コンパッションがあると、自分がどんな困難な状況にあっても、自分に優しい気持ちを向け、こういう経験は他の人と共通していることを認識できるようになります。セルフ・コンパッションが高いと、不安や抑うつが抑えられそして、幸福感が高いという研究結果が出ています。
あなたができること
いまここで、忘れていたセルフ・コンパッションを取り戻す方法についてお話したいとと思います。セルフ・コンパッションを高める方法はいくつかありますが、ここでは「慈悲の瞑想」を紹介したいと思います。
これは、自分や他人の幸せを願い、自分や他人が苦しみから開放されることを願う仏教古来の瞑想法です。
以下のフレーズを、自分のペースに合わせて繰り返し心のなかでつぶやくことを繰り返します。
私が幸せでありますように
私が苦しみから開放されますように
私が健康でありますように
私の悩み苦しみがなくなりますように
もし、自分に対して繰り返すことが難しいと感じたときには、「私」のところを「私を大切にしてくれた人・気にかけてくれた人・笑いかけてくれた〇〇さん」と具体的に置き換えて、同じように繰り返してください。
なにか、魂が揺さぶられませんか?あるいは、感謝する気持ちが湧き上がってきませんか?
一通りおわったら、また再び「私」に置き換えて、上のフレーズを繰り返してください。慣れてきたら、親しい人、愛する人、育ててくれた人、命をはぐくんでくれた大自然などに広げていきます。
実践していると、自分がダメだったことや、後悔していること、何もできなかった自分が思い出されるかもしれません。そういうときにも、思いやりを持って「たくさん涙が出るね。それは辛かったね、よく分かるよ。」と自分への思いやりで包みこんでください。そして、再び、「私が苦しみから開放されますように」「この痛みを受け入れられますように」「私が思いやりの思考になりますように」と何度も繰り返してください。
セルフ・コンパッションが高まると
セルフ・コンパッションが高まると、今までネガティブなことにばかり意識を向けていたものから、さまざまなことに対して目を向けることができるようになります。
そのなかで、本当の自分に役に立っていたものや大切なもの、感謝や幸せを感じる対象がどんどん増えていきます。そうすると、自ずと死にたいという気持ちがやわらぐことを実感できると思います。
セルフ・コンパッションを高めて、大切なものを思い出してください。きっとそこにあなたの揺れ動く気持ちを支えてくれる存在がいるはずです。
これが真実なのです。
あなたは1人ではありません
悩みを1人で解決することには、限界があります。みんな同じ悩みを抱えている人間です。遠慮をせずに、まわりの大切な人に相談してください。
専門の相談機関もあります。まず悩まずに電話やSNSで相談してくださいね。
動画で「慈悲の瞑想」をご覧いただけます。より詳しく実行する方法を知りたい人は、動画をごらんください。
記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
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