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北海道コンサドーレ札幌の快進撃を支える野々村芳和社長のブレない経営哲学とは?

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
インタビューにこたえる株式会社コンサドーレ代表取締役社長野々村芳和氏

北海道コンサドーレ札幌は現在、2位に勝ち点4差をつけてJ2首位を走っている。そんな絶好調なクラブを経営する野々村芳和社長に先日、インタビューを実施してきた。伺ったのは以下のテーマだ。

  • 海外での放映権ビジネスの将来性
  • レ・コン・ビンに続く東南アジア戦略
  • クラブ名に『北海道』を加えた理由
  • エゾデンに続く事業多角化のビジョン
  • クラブ運営に携わる社員教育の難しさ
  • 日ハムとのコラボレーションの可能性
  • 若い世代を取り込むための施策
  • 社長が目指すクラブ哲学の最終形

詳細は対談記事の前編後編に譲るが、全ての話題において、野々村氏の一貫したクラブ哲学「試合の勝ち負けで一喜一憂するよりも、クラブを一緒に育てていく”パートナー”を一人でも増やしたい」という思いがひしひしと伝わるインタビューだった。

2013年にコンサドーレの代表取締役社長に就任して以降、野々村氏は次々と斬新な企画を繰り出し、Jリーグに新風を吹き込んできた。就任4年目となる今年に入っても、Jリーグのクラブとしては初となる広告代理店との長期大型契約を結んだり、パートナー企業と電力会社エゾデンを立ち上げて、自由化された電力事業に参入したり、とにかく新しいことにチャレンジする姿勢が際立っている。

野々村氏が抱くクラブ哲学はどのように成果に表れているか?

未開の地を切り開いていく開拓者のスタンスは、北海道の地をホームタウンとするコンサドーレのイメージにピッタリだ。そんな野々村氏が抱く「クラブを一緒に育てるパートナーを増やしたい」という思いは、この3年半でどのように実を結んでいるのか、数値として可視化してみたい。

まず野々村社長の言う”パートナー”とは、ファン・サポーターやスポンサー企業、ボランティアスタッフなどコンサドーレをサポートする全ての人を指す。では、最初にコンサドーレのホーム観客動員数を見てみよう。

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2016年の数値は第15節までのデータを用いている。今年は昨年と比べて約2割増で、右肩上がりで平均観客動員数を増やしている。札幌ドームよりキャパシティが少ない厚別・函館開催や平日開催が残っているため今後伸び悩む可能性もあるが、終盤まで優勝争いを続けていくことができれば、更に動員数を増やすことも可能だろう(ちなみに第15節時点で平均観客動員数でも札幌はJ2で首位に立っている)。

就任1年目の2013年と比較しても、現時点で142%も増やしている。これは野々村社長が地道に種をまいてきた成果と言えよう。

続いてスポンサー企業のひとつの指標となる広告料収入について、決算情報を参照してグラフ化してみる。

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このデータも観客動員数と同じく毎年、前年比アップを続けている。今年2016年の実績はまだ出ていないが、広告代理店との大型契約で推定2億円が単年で上乗せされるため、更なる増収が見込まれる。

観客動員数と広告料収入ともに、一度も前年比ダウンすることなく右肩上がりで来ているのは、さすがの一言だ。

就任4年目で遂に成熟期に入った野々村体制

長期的なビジョンとして野々村社長は、今年『100億円クラブ』を公言した。社長は更なる未来に目を向けるが、着実に成長の道を歩んできているように思う。

経営面でここまで成果を出し続け、Jリーグでの成績も伴ってきた今季は、とうとうコンサドーレが成熟期に入った印象を受ける。開幕前のスカパー!解説者予想では、今季誰もJ2上位に予想しなかったコンサドーレだが、トップチームの成績に限らず、野々村社長の経営手腕にも引き続き注目していきたい。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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